第59話 猫貴族、お宝を見つける
翌日目を覚ますと再びダンジョン攻略をスタートさせた。
「昨日の様子を見ておると二人とも問題なさそうじゃが今日から相手も強くなってきよるから気をつけるんじゃぞ」
五階層を歩き始めて一時間ほどすると魔力眼に反応があった
「ちょっと待って!この壁の奥に魔力の反応がある」
「儂には何も感じんがルークに見えとるということはあるんじゃろう」
「流石は女神様から頂いた御力ですな。ダンジョンの壁は魔力を吸って成長しているのでなかなか壁の奥の魔力反応は気付き辛いものなのですがお構いなしですな」
「どうするの?壁を壊しちゃう?」
「ここは私にお任せを」
「ならヴィクターにお任せするね」
『影魔杖』
普通の執事が持ってたら普通の杖に見えるんだけどこいつが持ってたらなんだかとても禍々しいな
っていうかウチのパーティ魔力で武器作りすぎじゃない?
普通に作れるもんなの?
「そんな呆けた顔をしないでくださいませ。私も昨日のティア嬢の魔法を見てピンときましてな」
横であれだけ練習したのにってティアが虚な目で呟いている
確かに練習した技を一度見ただけで再現されるとそうなるよな
「ん。悪魔は変態。諦める」
『そうにゃ。悪魔は相手にするだけ無駄にゃ』
そしていつの間にかヴィクターが壁にぽっかり穴を開けていた。
「この奥ですな」
魔力眼を頼りに奥へ進んでいくとそこには一本の長剣が横たわっていた。
「長剣か~。このメンバーだと誰も使わないね。じいちゃんいる?」
「いや、確かにこの長剣はなかなかの業物じゃが、儂は大剣がいいのぅ」
「じゃあ兄さんにでもあげるか~」
「それがいいかもしれませんな」
見つけた長剣を影収納にしまい、元来た道へ戻る。
そして五階層を過ぎ、六階層もそろそろ終わりではないかという時に現れる敵に変化が訪れた
「上位種が二体混じってるね」
「そうだね。小隊が二つって感じなのかな?」
ティアが言うように上位種とその他といった具合で五体ずつの計十体がこちらへ向かってきていた。
「ここは儂に任せろ。というよりそろそろ儂に出番をくれ」
そう言うなり前へ出たじいちゃんがリザードマンの群れ二つに対し両手をそれぞれ向ける
『紅朱雀』
僕と戦って時に使ったのと同じ魔法を両手から放つ。
炎の魔力が2m程の朱雀を形どりリザードマンたちに向かっていく
そして激突したと思ったときにはリザードマンたちのほとんどは焼け溶けていた。
「おっかねー。じいちゃん!あんな魔法を孫に向かった使ってたのかよ!」
「ぐわぁはっはっはっは。ルークならあれぐらいどうにでもするかと思ったのでのぅ」
いやいや、そんなのわかんないでしょと思ったが、この人には何も言っても同じだと自分に言い聞かせ言葉をぐっと飲みこんだ。
「凄まじい威力ですな。悪魔でもこれほどの火魔法を使う者はほとんどおりませんでしたよ」
「ん。それは火魔法じゃない、灼熱魔法。」
『火の奴に加護を貰ったせいで火魔法が上位魔法へ進化してるにゃ』
「ルーク君の漆黒魔法と同等ってこと?」
『そうにゃ。ただし、神獣と契約している主の方が扱える魔法の数と量も多いにゃ』
クロエが僕に撫でられながら解説してくれる。
最近のクロエは手触りがたまらない。
このままずっとモフってたいくらいだ。
「それじゃといずれはルークの魔法にかなわんようになるかもしれんのぅ。こうなったら落ち着いた時には再びあ奴の元へ行くかのぅ」
どうやらじいちゃんはこの年にもなって更なる強さを求めるようだ。
その後は上位種の数が増えたが、僕とティアが魔纏の練習をしながら倒し、下の階層へと潜っていった。
そして僕たちはようやく十五階層に辿り着いた
漆黒の猫貴族 おやじ @sumisyu
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