珠理のキャバ嬢日記

第16話 結婚？したいです‼

　キャバクラのお客さんって、遊んでる人ってイメージ持ってません？

　でも、私のお客さんはまじめな人が多いです。

　それも優秀なビジネスマン、年齢はだいたい30代後半～40代後半、もっと上の年齢の人もいますよ。もちろん、もっと若い人も。

　働き盛りというんですか、会社では責任のある立場の人たちだと思います。。

　ストレスたまりますよね。

　家庭を持ってる人の方が多いと思います。

　家庭を持ってる人がどうしてキャバクラに？

　だから、キャバクラなんです。

　ストレスを発散してまた、バリバリ働く。

　平和な家庭を築くには、必要なものだと思います。

　私は奥さまと呼ばれる立場は経験がないので、偉そうなことはいえませんが、男性の気持ちはよく理解していると思っています。

「奥さま、私の方がたくさん男性をみていますから」

　あっ、まずい喧嘩売っちゃったかな？

　ごめんなさい、そんな気持ちは少しもありません。

　私はただ、お客さんの心を和らげる社会のシステムの、ひとりでありたいと思っています。（すごく大袈裟ですね）

　でも、キャバクラって本当ににそういう場なんです。

　私の日記を読んでくださってるあなたなら、もう私のことは分かってますよね。

　で、そろそろあなたが一番聞きたいのは、多分これではないのかな？

　そんな話をすこしだけするわね。いっぱいあるので今日はその中のひとつだけ。

　〈キャバ嬢の恋愛事情〉

　これ、聞きたいでしょ？お客さんとキャバ嬢の恋愛って、本当にあるのかないのかってこと。

　がっかりする人がいるかも知れないけど、いわなくちゃね。

　可能性は10％以下です。

　ごめんなさい。いきなり結論いっちゃった。でも0％ではありませんよ。

　私たちの世界は案外、保守的な考えの子が多いと思います。将来のため今はしっかり働いて、幸せな家庭を持ちたいと思ってる子が多いのです。

　あなたが本当に生涯のパートナーとなる女性を求めている人なら、私は今すぐにでもあなたの胸に飛び込みたいです。これは本当です。

　私がこの世界の経験がまだ浅かったころ、何人もの素敵なお客さんに、本当に恋をしました。

　でも、その男性との恋が実ることはありませんでした。

　何度も何度も泣きました。

　男性の側にも私の側にも責任があります。

　それは一般どこにでもあることです。

　でも、キャバ嬢に対する世間の目はけっこう厳しいのです。

　私の先輩の女性たちの多くは、この世界を引退されたあと、恋愛をし結婚しています。現役時代に本当の恋にめぐり会った人はごくわずかだと思います。

　一番多いのが社内恋愛です。

　そう、相手は同じ店の黒服の人たちです。または同じ業界の人たちです。

　やはり、互いの心がわかるのは近くにいる人なのね。

　同じ店であった場合は、女の子は店を変わることになります。

　同じ店にいることはありません。結婚後も働ける店に変わります。

　店を変わる理由の中では上位にくると思います。

　既婚のキャバ嬢は私の大体の感じですが、10人に一人くらいはいると思います。

　この話、話したいことがいっぱいあって、終わりそうにありません。

　だから、それもいずれまた。

　それじゃあ、今夜もお休みなさい。