教室の中でのいざこざ

バブみ道日丿宮組

お題:幼い悪役 制限時間:15分

教室の中でのいざこざ

 親が行方不明になったと聞いた時、『あぁ、僕は死ぬんだな』って思った。

 誰も助けてくれないし、構ってもくれない。

 孤独死。

 そういったものになるんだなって。

 そう教室の片隅で考えてると、

「ねぇ! 生意気じゃない」

 教室がやけに騒がしかった。

「……ん?」

 視線を向けてみると、とある男子を女子たちが囲ってた。

 なんだ。いじめの現場かと思いきや、

「おっぱいもんでいいのはお兄ちゃんだけなんだから」

「そうよ、お兄様だけは触っていいの」

「もっと、奥まで触ってほしいの」

 謎理論が繰り広げられた。

 胸を触ったらしい男子は、困惑してた。触る対象を間違えた。そんな感じだ。

 でもって、何を勘違いしたのか、ぱさりと女子のスカートを捲った。

 こちらでもぱっくりと下着が見えるほどのモーションだった。

 水色と白色のストライプ。

 マニアが好む下着の色。いいものを見たなぁと思う。

「お兄ちゃんに見せる下着なのに! どうしてあなたがめくっちゃうの!」

 ぎゃあぎゃあ、より一層教室が騒がしくなる。

 いろんなグループがひそひそと男子たちを見る。

 下着について議論をもしかしたらしてるかもしれない。

 360度下着が教室内に公開されたんだ。その可能性は低くないはず。

「……あの」

 ざわついた中、男子の側にメガネ男子が近づき、

「なんだ?」

「どうしてスカートを捲ったんですか?」

 素朴な疑問をぶつけた。

「おっぱいは揉むもの、ぱんつは覗くものだろ?」

 あったまおかしいんじゃないと、女子がざわつく。

 その精神はわからんでもない。

 だが、囲われてる状況でその行動は良くない。

 ばちんという音がする頃には、男子は地面に倒れ込んでた。

 見えないほどのパンチをその身に浴びてた。

 そして倒れたところを、女子たちが次々に蹴り飛ばしてく。

 そんな状況だというのに、蹴られてる男子は嬉しそうな声をあげた。


 ぱんつが見える、足の感触が気持ちいい、もっと股間を蹴って。

 

 狂気じみたことをなんだか口走ってた。

 だんだんと気持ち悪くなったのか、女子たちは表情を曇らせると、

「もういいわ! 面白くないもの!」

 離れてった。

 ここで男子に近づけば、仲良くなれるかもしれないが同類に思われても今後がめんどくさそうだと思い、窓の方に視線を向き直した。

 そこには文字通り水色の空と、白い雲のストライプが広がってた。

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教室の中でのいざこざ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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