魔物の討伐を任された魔法使い

Кошка Бог(猫神)

第1話 ーある日、突然それが起こりー

 私は紀梨島 夏希きりしま なつき

クレティオンと呼ばれている世界にある、メルーナ王国の中央部の町で暮らしている、王国立中央高等学校の魔術科に所属する17歳の高校2年生。「なるほど…この魔法をこの出力にしたら…」


 今日もいつものように魔術の学習をしていたら、女王が慌てた様子でやってきた。暗黒世界の王からの手紙を読み上げる女王。私はそれを聞いて耳を疑った。

 「今からその手紙を読み上げます」

 ―我は暗黒世界の王。そちらの世界に毎週一体、非常に危険な魔物を送り込む。そしてその魔物に世界中の魔法使いを取り込ませる。さらに、そちらの世界の野生の魔物はみな狂暴化させておいた。最終的に我自身がそちらに向かい、"紀梨島 夏希"《きりしま なつき》そいつを取り込んで世界を支配したい。―


 「世界の危機じゃない…?それに、私を取り込むって…」そう、世界が支配されるのは非常にまずい。さらに私を取り込むということは、場合によっては拘束魔法を使われる…!?

 「甚大な被害、そして多くの魔法使いが取り込まれる危険性があり、世界にとっての脅威になるため、魔物の討伐を任せる人を選びました。紀梨島夏希《きりしまなつき》を筆頭とし、剣使いののエイデルフ、時の魔法使いのアデルハイトゥ、そして世界を治めるクレアティオネです。ただし、基本は筆頭単独で魔物の討伐をするように。」

 私が選ばれた。筆頭だし、魔物の討伐は基本私一人…

 「えっ私…ってちょっと待って、なんか揺れてるしベチャベチャ鳴ってない?」そして後ろを見ると…


 そこには巨大なスライムがいた。

 「なるほどね…これがその魔物ってわけね…しかもスライム…」スライム自身はあまり好きじゃない。過去に自分と仲間が取り込まれたのを思い出すから。…でも、やるしかない。

 「じゃあ早速この魔法、”アイスエッジ”」名前の通り氷の剣で切り刻む魔法。どんなスライムにも特大のダメージを与える…

 はずなんだけど、このスライムは例外だったみたい。一応周りの生徒も魔法を当ててるけど傷一つついてないし…とここでスライムがいきなり動き出した。そして…魔法を当てていた生徒を私以外、両手足を拘束して取り込み始めた。「いや…離して!」「助け…」「うっ…動けない!」その間にも私も魔法を撃ったが怯む様子がない。

 ・・・想像よりはるかに危険だった。スライムだからと侮ってはいけない。

 「はあ、はあ…もうこうなったら…召喚魔法しかない…!"オブシディアンブレイド”」魔力を持たない巨大な剣。魔法でああ釣るけど斬れ攻撃には魔法は着かない。これで叩き斬れば…

 

ザクッと鈍い音がした瞬間、魔物が鳴いた。

ウァァァァァ…

瀕死だけどまだ倒れてない。

 「もう瀕死だし…とどめの一撃、”アクアプロージョン”」これは非常に強力な一撃。大量の魔力を消費して水を爆発させる。…この魔法を使ったら疲れるんだけどね…


 「やっと倒せた…」時間はかかったけどスライムを倒せた…」取り込まれた生徒も、魔力を吸われたことを除けば無事だった。

 これで今週は比較的平穏になrけど、毎週これだと思うと…そう思っているところにさっき取り込まれてた成都が駆けつけてきた。「助かったぁ…」「取り込まれるかと思ったよ」「命の恩人じゃん…!何かおごってほしい?」

 …結構感謝された。とりあえず今週はこれでおしまい。そしてその後、通常通り授業に戻…るわけはない。臨時で早めに切り上げて下校になった。その後はいつものように過ごした。また魔物が送り込まれるまでは…


続く


 

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