第12話 『占いvs兵法』設定1
兵法は「孫子」「六韜」を基礎にする。
占いは「易経」「六壬神課」を基礎にするが、周易よりも素朴なものにする。
設定1
隣国ミロス王国から幾度も侵攻を受けていたブロンクト公国の公子フィリップには変わり者の親友がいた。つねに兵法をそらんじているヨハンだ。東洋から伝わったというその兵法には、大軍との戦いを有利に進める秘策があるという。しかしヨハンは実戦に出たことがなく、その兵法が本当に役に立つものなのか、疑問視する者がほとんどだった。
戦いに敗れて帰ってきたフィリップはヨハンを説き伏せて、彼の副官として入隊させることに成功した。戦いの場で占いではなく兵法を優先させることを条件にしてだ。
この世界では、各国進むも退くも戦うも避けるも占いで決めていた。それはミロスも同様で、とくに敵将クローゼの名は大陸に轟いていた。
「ほう、進めの卦が出たか。今が攻めどきだ! 皆のものかかれ!」
クローゼは誰よりも短い時間で卦を立てるため、敵よりも数段早く行動に移れ、それが戦場を制する力となっている。
ファリップが兵法などという得体のしれないものを頼ると聞いた部下たちは、まずヨハンの采配を見てみたいいうことになった。
模擬戦を行なうこと三度。すべてヨハンが圧勝してみせた。
フィリップ軍は以後ヨハンの指揮に従うこととなる。用兵の基本である指揮官の指示に従って全軍が迅速に動けるよう訓練を繰り返した。
クローゼは他国との戦いに勝利し首都に凱旋する。フランツ王は彼に恩賞を出すとともに全軍をねぎらった。
クローゼの立てる占いは、即断即決においては秘中の秘と呼べるもので、こと実戦では敵に先駆けて行動するので、卦を立てられない敵を翻弄するものだった。敵はつねに卦を立てようとし、準備を始めているスキに急襲できるのだ。
この世界ではいかに早く卦が立てられるかが、優秀な指揮官の証となっている。
ゆえに秘中の秘である占いを駆使するクローゼが大陸最強の指揮官として勇名を馳せているのだ。
とりあえず、大陸では占いで戦いを進めていく前提が必要。
そうしないと兵法とのバトルには持ち込めない。
殷周戦争の「牧野の戦い」のようなクライマックスが前提で、そこへ向けての進軍過程を物語として描く。
姫昌・姫発親子と太公望との関係も参考にする。
ただ、殷の紂王のような絶対悪は出さない。ミロス王国にも正当性はある、という状況で、それでもミロス王国から挑まれた戦いに勝たなければならない。
ブロンクト公国とミロス王国の両サイドから描くとすれば、三人称視点で描くべき。だが、今の執筆スタイルは一人称寄りなので、そこを改善しながら書かなければならない。
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