第7話 元哉 2

 ファミレスでマサトと会ってから、ずっと調子が悪い。

地蔵を蹴ったとか言ってる奴の金で飯を食ったせいだろうか……いや……考えすぎだ。

 モトヤは、便器に突っ伏しながらえづく。頭がグラグラし乗り物酔のような症状が一週間ほど続いている。頭の中がモヤモヤする。

視界の端を度々少女が走っている気がする。気持ち悪いのに異様に腹が減る……


ピコン


 メッセージアプリに親父からのメッセージが入った。


『懸賞でゲーム機が当たったので送る』

「は?もう家にあるよ」

『最新のヤツ』

(まじか、欲しい、でも2個もいらない)


ピコン


『古い方、持ってない友達にあげるか、フリマアプリで売って小遣いにすればいい』

(太っ腹だな……そういえば親父、毎年何か当たってるな。強運の持ち主か?)


 親父はいらないものを俺にくれるが、たいていすでに類似品を持っているとこが多く、古い方をフリマに出している。


(そういえば、タカシがゲーム機ほしいって言ってた気がするな、声をかけてみるか)


『親父が抽選で当たったゲーム機くれるから、旧式が不要になるんだけど、いらない?』


ピコン


すぐに返信が来た

『マジで?いる!!』

画面上で

うさぎがバンザイしている

『じゃあ今度会うとき持っていくわ』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る