ディナーショーと赤いきつね
春川晴人
前編 ご褒美
ご贔屓さんのディナーショーのチケットが当選した!!
今年初めて開催されるディナーショーは、倍率が高いと噂されていたから、半分あきらめていたのだけれど、願っていた分夢が叶った!!
私のご贔屓さんは、ミュージカル俳優。このミュージカルのチケットもなかなか取れないのよね。
そしてこつこつ仕事をこなして、ついにディナーショーの開催に至るまで人気が加速してきた。
正直、私ひとりが応援したところで、どうにもならないんじゃないと思うこともあるけれど、それはちがう。
私ひとり、そしてほかのだれかの応援が重なれば、たくさんの応援になる。
私は、このチケットを勝ち取るために、生まれて初めてファンクラブにも入った。
こんな自分の変化に戸惑ってもいるけれど、全然平気。
明日はいよいよディナーショー。電車に揺られて格安ホテルにチェックインした。
明日着るためのドレスとアクセサリーを確認。アクセサリーは、ジャラジャラ音がするようなものはいけないから、シンプルなものに。
夕飯は、赤いきつね。
明日の今頃はおいしい料理とご贔屓さんに会えると思うと、その落差に少し戸惑うけれど、それもひとつのスパイスになって、いつもよりずっとおあげがおいしく感じた。
ディナーショーも赤いきつねも、私にとっては大切なご褒美なのだ。
つづく
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます