第392話 大群

 なんて願いは叶えられず、クモの巣が張られていた。


「バッフか。結構侵入されてんな」


 動体反応にも熱源にも映らないとか、エルフの技術も絶対じゃないんだな。まあ、だから滅ぼされたんだろうけど。


「タカト。どうするの?」


「燃やすか」


 プランデットでマンダリンを自動操縦にしたらガソリンタンクを取り寄せ、発着場に放り投げた。


「メビ。撃て」


「お任せあれ!」


 グロックでガソリンタンクに穴を開け、発着場にガソリンが流れ出た。


 手榴弾を一つ取り寄せ、ピンを抜いて放り投げた。


 すぐに距離を取り、手榴弾が爆発。ガソリンに引火。燃え上がった。


 動体反応センサーに動きがあり、バッフだろう光点が奥へ逃げ始めた。


「メビ。416Dを出す。あそこに向けて撃て!」


 416Dを取り寄せ、メビがキャッチ。オレが指差したほうに連射をした。


「もう一丁!」


「あいよ!」


 手持ちのマガジンを交換して連射した。


「イチゴ、突っ込め! 制圧しろ!」


「ラー」


 マンダリンを突っ込ませ、スライディング着地。416Dを構えてバッフに向けて放った。


「アルズライズ、燃えていないところから突っ込め! イチゴの援護だ!」


 ホバリングしているアルズライズなら突入できるはずだ。ビシャはなんか危なっかしい。


「了解!」


 アルズライズも突っ込み、スライディング着地してデザートイーグルを抜いてバッフを撃っていった。


 ミシニーが倒したバッフもしぶとかったが、バッフはそういう魔物なのか?  まったく、迷惑なヤツだよ。


「イチノセ。目標制圧しました」


「ご苦労様。ビシャ! 発着場に入れ!」


「了解!」


 危なっかしいながらもビシャが発着場に入った。


 オレらも警戒しながらバックで発着場に入り、燃え上がる炎と煙を吹き飛ばしながら着地した。


 防毒マスクを取り寄せてメビとビシャに装着させる。オレは最初からマスクをつけてます。


「アルズライズ。SCAR−Hだ」


 取り寄せてアルズライズに渡し、オレもタボール7を取り寄せた。


「イチゴ。マガジン補給だ」


 アルズライズに先頭を任せ、イチゴに弾入りのマガジンを渡した。


「アルズライズ。奥を頼む。メビ、援護だ。ビシャはヒートソードでクモの巣を焼き払え。イチゴ。管制塔に向かうぞ」


 それぞれに指示を出してオレとイチゴで管制塔に向かった。


 ここがなんなのかダメ女神からの情報もなく、ブランデットにも情報がない。明らかに不自然なところにある。管制塔になにか手がかりがあるといいんだがな。


 イチゴに先頭を歩かせ、オレはブランデットでマップを作成していった。


 管制塔は発着場の上にあり、階段で昇るしかないみたいだ。


 ……ここだけやたらアナログだよな……?


「イチノセ。管制塔に反応あり。三次元測定からバッフと確認しました」


 またバッフかい。ここはそんなにエサが豊富なのか?


 五キロのガスボンベを取り寄せ、栓を開いて管制塔に放り込んでやり、いい感じに充満したら手榴弾をポイ。いい感じに爆発してくれた。


 イチゴに先に突入させ、バッフに止めを刺してもらった。


「……メスか……」


 燃え残った卵が気持ち悪い。てか、他にもいるなら火炎放射器を買ったほうがいいかな? 火炎放射器っていくらだ?


 と、奥から銃声がした。


「ここはバッフの巣かよ」


 下手に増えられても困るし、排除しておくか。いい感じのサイズだし、魔石もそれなりのはずだ。


 黒焦げになったバッフの腹を裂き、土色の魔石を取り出した。


「なかなかのサイズだな」


 天敵がいないから無駄に育ってんだろうな。ゴブリンを食ってくれるならオレが呼び出されることもなかったのに。命の創造を間違えると食物連鎖も変わってしまうんだな……。


「管制塔から情報を得るのは無理そうだな」


 ここは、ロードン処理されてないようで、機器はすべて錆びており、重要そうなものはなかった。


 ガソリンタンクを取り寄せ、燃え残った卵にかけていき火をつけた。


「タカト! バッフがいっぱい現れたよ!」


 本当にここはバッフの巣のようだな。最初にきたとき襲われなくてよかった。ってまあ、ロースランがいたから出ようにも出られないか。


「ビシャはヒートソードの電池をたくさん買っておけ。バッフは熱に弱いみたいだからな」


 タボール7からEARを二丁取り寄せ、一丁をイチゴに渡し、一丁はオレが使う。


「アルズライズ、メビ、交代だ!」


 発着場の奥は結構続いており、熊くらいのバッフが十数匹もいやがった。


「ったく。ここは繁殖地かよ」


 なんでもかんでも増えすぎだろう。ここの食物連鎖、どうなってんだ?


「まぁ、なんでもいい。イチゴ、殲滅だ!」


 バッフは魔力抵抗値は高くないので、狙いを定めず数で攻め立ててやった。


 八百発と言う数の暴力でバッフを撃ち殺していくが、奥からどんどんと現れてきる。どんだけ巣くってんだよ!?


「アルズライズ、メビ、交代!」


 EARを撃ち尽くしたらその場を二人に譲り、MINIMIを取り寄せた。


 ルンも取り寄せて、イチゴにEARにつけたルンと交換させ、充填するまでMINIMIを撃った。


 まったく、毎回毎回大群ばかりで嫌になるぜ!

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