第11話 幼馴染の友達

私は谷川翔子であの馬鹿大和とゆーちゃんの幼馴染だけど、ゆーちゃんには恋愛感情はない。


なんでって?


だって、馬鹿大和というか、大和のことはす、す、す、す、好き・・・


ああああああ、なんでこんなとこで言わなきゃいけないの?!!


こんなのただの公開処刑じゃない!!


※ラブコメ?だからです


説明になってないわ!この作者め


メタい発言はさておき、ゆーちゃんはあのb・・・大和の親友で私は小学校から仲良くなって、もちろんその時はまだ恋心なんてものはなかった。


だけど、ゆーちゃんは頼もしい男の子というイメージがあって中学に上がってグレた?というのかは分からないけど、蔑ろにしたり離れたりすることはなくてずっと仲良かった。


小学校高学年で恋心を知って、中学で大和に恋しているということを自覚した頃からゆーちゃんが何かと頑張っていたことは知っている。


そして、何度も助けられた。


だけど、稀にヤケクソを起こして状況を悪化させるのは辞めてほしいかな。


いつもしょうもないことで喧嘩してごめんなさい。


だけど、これはあの馬鹿大和が悪いの・・・じゃない、いつまでもチキンになっている私が悪いわ


水上ちゃんが来てから私がいつも戦々恐々とする日常になったけど、特に水上ちゃんとは仲が悪くない。


最初は大和に恋する一歩手前まで来ていたけど、ここのところは私の勘が正しければゆーちゃんに恋していると思う。


これはいくら私が大和を渡したくないからって、勝手に決めつけているわけではない。


ちゃんと理由はある。


来たばかりの時は確かに大和とくっついていることが多かったけど、時間が経つにつれて視線が大和じゃなくてゆーちゃんを追い始めていたし、ほぼ決定打に近いのは遠足の時に遠慮なくゆーちゃんの隣に座ったことよ。


あの時は一瞬揉めると覚悟してじゃんけんで勝ち取ってやる勢いだったけど、それが無駄になった。


あのあと誘拐という大変な目に遭うとは思わなかったし、怖かった。


ゆーちゃんが助けに来るちょっと前に目が覚めてしまって、水上ちゃんも目覚めかけていた。


この後どんなことになるかは想像しなくても分かりきっていて、絶望を超えて諦観するしかない。


だけど、助けに来たゆーちゃんを見て少し安心した以上の感情が存在してしまった。


今もこれからずっと大和に一筋だけど、あの時一瞬惚れかけてゆーちゃんをカッコいいと思ってしまうほどだった。


撃たれた時は助けてに行きたかったけど、縛られたて目の前で傷ついていくゆーちゃんを見届けるしかなかった。


血だらけで虫の息というほど大怪我をしているのに、警察が来るまで変わらない優しい顔で見守って警察官に介抱される形で倒れる。


そして、今はいつどうなるか油断できない状態で生命維持装置に繋がれていた。


何回も心臓が止まっては蘇生するの繰り返しで、目覚める様子もない。


腹部を撃たれた小腸の一部を切り取って、生死の狭間を彷徨うほどの失血をありったけの輸血剤で補っているギリギリの状態で生きているのが奇跡らしい。


こんな状態になってまで私と水上ちゃんを助けに来たんだ。


生かされた恩を返さなくてどうする。


ゆーちゃんがいつも私と大和を結びつける作業を終わらせて、助けた意味を成さなきゃ。


ここで機会を失すれば女の恥


起きた時にはちゃん幸せな姿を見せると共に今度はゆーちゃんが幸せになる番だよ。


だから、生きて起きなさい!!!


死んだら私と大和が天国でも地獄からも引っ張り出してやる。


水上ちゃんも待ってるんだから、、、

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