隣で寝てるJK。実は前世は我が家のペットでした。

せんと

プロローグ

 あの時ほど、自分が子供であったことを呪ったことはない。

 周りの大人は『動物だから仕方がない』『運が悪かった』等と言って、処分されるという現実を恐ろしく冷淡れいたんに受け入れ、片づけた。

 連中は仮にそれが自分の大切なもの・愛するものだったとしても、同じことができるだろうか?

 少なくとも俺には絶対無理だと言える。

 大人になった今、そんなことをされたら、確実にどんな手を使ってでも相手を殺しに行くと思う。

 それに犬だろうがなんだろうが、俺にとって『ロコ』は兄妹も同然。いや。それ以上の存在だった。

 泣き虫だった俺を彼女はなぐさめ、時には叱咤激励しったげきれいもした。

 いつも自分のそばにいてくれたロコ。

 そんな大切な存在であったロコを......俺は守ることができなかった。

 今でも覚えている。

 保険所の車に乗せられて運ばれて行く時の、あの自分の運命を察しているかのような、悲哀に満ちたあいつの瞳と声を。



 もしも願いが叶うのならば、またロコに会いたい。

 会ってあの時守れなかったことを謝りたい。

 そして、今度は絶対に守ってみせると、俺、浅田剣真あさだけんまは、あいつの前で誓いたい......

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