魔法少女対68年
黒田寛実
〔できなかった〕
[できなかった]
もはや、何も書くことは残っていなかった。
「本当に、ナイスな戦士になりたかった。」
「でも、なれなかった。」
「恥ずかしかった。」
「代わりに、『さようなら、ギャングたち』を読んだ。」
「『CLANNAD』を見た。」
「『天気の子』を称賛した。」
楽しかったね。
もう、本当に、本当に、遺言なのだ。
代わりに、それだけしかできなかった。
絶対に、他のことは、できなかった。
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