第5話 侵入者
今日は高校で内海 舞から本を読めって言われたので、俺は家に帰って自分の部屋の前に立つ、
ゆっくりとドアを開けて、誰もいないし黒い物体がいないのを確認して入っていった。
自分の部屋に入るのに警戒しないと入れないんておかしなことだけど、実際に俺の部屋に異変が起きているからしょうがない。
今日は部屋も荒らされていることはなく、朝、部屋を出たままの状態だったので、ホッとした。
俺は荷物を置いてポケットから本を取り出して椅子に座る。
一応、部屋の中を見渡してみるけど、異常はない。
俺は机のライトをつけて本を広げて読み始める。
学校で読んだところもあるが、初めから読んでいく。
本を読んでいくとアイデアを思いついたのは、俺と同じ高校生の時、それを何年立って実現したのか、書いていないが、社会人になって実現したとだけ書いてある。
何年かけてタイムマシンなんて作ったのか、わからないけど、ただの小説じゃなく、本当の日記だとしたら、すごいことだ。
どうして、この本が俺には日記に見えて、妹の
小説なのか? 日記なのか?
もしこれが日記なら、すごい発見だと思えるけど、先を読んでいないからわからない。
俺は先を読んでいく‥‥‥
次のページには何か幾何学文字に見えることが書いてあったりして、わからない。
また次のページをめくってみると、何か機械の設計図みたいなものが書いてあるけど、小さい本だから、書いてあるのは、ところ狭しと書いてある。
次のページには、また設計図だけど、、書き直しているみたいだ。
同じような設計図のページが、次にも、また次にも書いてある。
そして、次のページにやっと文字が書いてあった。
そこには悩みみたいなことが書いてある。
”やっぱり難しい”から始まっている。
そして”何かが足りない”とも書いてある。
何かが足りない‥‥‥何が必要なんだ?
最後に”考え違いをしていた”と書いてある。
次のページをめくると”やったぞ、やはりこれで間違いないんだ”と書いてある。
肝心なことは書いてない問題が、どうして解消したのか?わからない。
普通の小説だったら、設計図なんて書く必要はない。こんなに何ページにもわたって書いてあるということは本物?
古本屋のおじいさんは、この本は俺のものだと言っていた。
どうして俺に、この本が回ってきたのか?
俺にタイムマシンを作れと言っているのか?
でも俺ってSF小説が好きな、ただの高校生だし、化学や科学、数学も得意な方ではない。そんな俺に何を作れっていうのか?
「う〜ん」俺は腕を組んで目を瞑って考えている。
その時、後ろから物音がしたので、俺はびっくりして椅子から立ち上がった。
後ろを振り向くと舞が立っていた。
「えっ」
「何、悩んでいるのよ?」
「‥‥‥君、どこから現れるの?」と俺は椅子に座り直す。
「え、まぁ、いいじゃない。それよりも言われた通り、ちゃんと、いい子にして本を読んでいるね、うん、うん、えらい」
舞は話をはぐらかそうとしているから、噛み合わない。
舞は何も俺に教える気がないみたいだから、俺は机に向き直って本を読む格好だけする。
「今、どの辺を読んでいるの?」と舞が俺の横にきて覗き込む。
舞は髪が垂れるのを気にして手で止めている。
でも、本を見るために俺の体に引っ付いてくるので体の温かみと、いい匂いがした。
「えっ、まだ、ここまでだよ」と舞の方を見ると、すぐ横に舞の顔があって俺は顔が赤くなってしまった。
舞も気がついて顔を赤くしながら離れた。
「うん、まぁ、えらい、えらい」となんだか意味不明な褒め方をして手で顔を仰いでいる。
「ふう、あつい、あつい」と言っているけど、部屋はそんなに暑くない。
「ねえ、舞、この本は俺に何か関係があるの?」
「そうね、それくらいなら‥‥‥大有りよ」と
でも、どう大有りなのか、教えてくれそうもない。
しかし、先っきは部屋の中を見渡して、誰もいないことを確認している、舞は、どうやって俺の部屋に入ってきたのか?
たぶん、今、聞いても教えてくれないで、はぐらかされるだろう。
俺のプライバシーなんてあったもんじゃない。
どうして舞が、俺の部屋にやってくるのか?
たぶん、それは本に関係しているからだろう。俺の手元に本があるから、何かの理由で俺の部屋にやってくる。
舞に言われた通り本を読み続けていく。
舞は俺が本を読み続けていく時には退屈そうにベットの上で俺の本棚から持ってきた漫画を読んでいる。
本を読みながら、時々、チラッと舞の方を見ると舞は足を組んで面白そうに読んでいるが、笑える部分では俺の邪魔にならないように声を押し殺しているけど声が漏れている。
それで俺は時々、舞の方を見るんだけど。
どうしてかわからないけど舞は制服をきている。
俺の高校の制服は、男子は特徴はない普通なんだけど、女子はチェック柄のミニスカートで上は半袖の白いブラウス、そしてハイソックスを履いている。
時々、舞が足を組み替えるので、見えそうで見えない光景が俺の集中力を無くしている。
俺は机で本を読んでいるのに、舞は時々、声を上げて笑いながら漫画を読んでいる。
集中できない‥‥‥その理由は舞が時々、笑いながらベットに横になるからだ 。そんなことをしたら、、見える‥‥‥白だった。
俺は心臓が張り裂けそうに緊張して汗が出てきた。
そして本を我慢して本を読んでいると、静かになったな、と思って舞のいるベットの方を見ると、舞はいない、漫画の本が4冊、ベットに乱雑にあいてあるだけ。
俺は立ち上がって舞の座っていた部分を触って見ると温かい。
どうして舞は、急に出てきたり、いなくなるのか?
俺は舞の温かみを手で感じるようにさすっている。
その時だった、部屋の端っこから、黒い霧みたいなものが出てきて、人型に実態した。
しかし、全身が黒いままで顔も男性か女性かもわからない。
そいつは、俺に襲い掛かってきた、ベットの上に倒れ込み、そいつの手が首に置かれる。
「く、苦しい」やっとのおもいで声を出すことができたが、それが精一杯だ。
そいつの手を、なんとかどかそうとする。
黒い霧の人は、かなり強い力で俺の首を絞める。
俺は首から片手を離し、ベットの上を弄った。
そうすると舞が置いていった漫画の本を触ることができて、掴んで表紙の部分で頭を殴った。
黒い霧の人は、思わぬ反撃にあい、バランスを崩して壁に音を立てて当たる。
「お兄、どうしたの?」と妹の陽葵が部屋のドアを開けようとしている。
俺は喉を締められて声が出ない。咳き込みながら、陽葵に危険だから入るなと言おうとしたら、黒い霧の奴は、霧散して消えた。
そこに陽葵が部屋に入ってきた。
俺は喉を締められて声を出そうとしたため咳き込む。
「ゴホンッ、ゴホンッ」
「お兄、どうしたの?」
心配そうにベットの上で苦しんでいる俺に陽葵が近づく。
「はあ、はぁ、はぁ」苦しさが少し和らいできた。
「お兄、大丈夫? 何があったの?」
「いや、ちょっとふざけていただけだよ」と本当のことは言えない‥‥‥
「ちょっと、私にも言えないの?」と陽葵は嘘を見抜いている。
「はぁ、はぁ」俺は喉に手を当てる。本当に死ぬところだった。
舞が片付けないで置いたままの本が役に立つなんて‥‥
俺が理由を言わないので陽葵は「お兄、前、登校している時に綺麗な女性がいたよね」
「えっ、そんなことあったか?」と俺はとぼけた。
「お兄と同じ制服を着ていたけど?」
「ああ、クラスメイトじゃないか? 俺に挨拶したんだと思うぞ」
「ふ〜ん、そうなんだ」余計に疑いの目をしてくる妹
俺はベットから落ちている本を手に取り片付けようとする、陽葵も、それを手伝ってくれるが気まずい。
まだ、俺は痛みがある首を時々、さすっている。陽葵は、俺のことを見ているが、聞いてこない。
なんだか、聞いてこないことが怖い
「じゃあね、お兄」と言って最後まで聞かずに部屋を出ていった。
陽葵が出ていって安心したのか俺は咳き込んだ。しかし、それを聞かれないように顔に布団をかぶせた。
そして手で口元を覆った。
「はぁ、はぁ」やっと落ち着いてきた。
俺が布団を剥いで、やっと苦しさから解放されると、ベットの上には舞が腰掛けていた。
「えっ」
舞が腰かけたことさえ、気が付かなかった。
俺は苦しさからか、わからないが……しかし、ベットに手を置いていたのに気が付かないなんて…
舞は俺の頭に手を置いて「苦しかったね」と言った。
俺は、本当に苦しさから、舞がベットに座ったことさえ、わからなかった。
神出鬼没の舞の行動には、何が意味があるのか、どうして俺が狙われる必要があるのか、あの黒い霧のようなものはなんなのか?
疑問は、残るばかり。
「舞は、どうして、ここに来たの?」
「‥‥‥」
「そう、言えないんだ」
「うん、そうなんだ。ごめんね」と少し今まの舞とは違い優しい感じ。
俺は机の上に置いてある本を見ると、盗られていないみたいだ。
というか、俺の方を先に殺しに来たのか?
優先順位が繰り上がっているのか?
俺は立ち上がって痛みが残る首を鏡で見てみると手のアザができている。
「明日は、治っていると良いんだけど」
それほど力を入れて殺そうとしなければならないのか?
しかし、舞が原因で始まった訳じゃない、
始まりは俺が、あの本屋を訪れたこと。
俺が本の趣味があるから、俺が本屋の中に入っていったのが原因で、この結果を招いている。
俺が鏡に首筋を映すことに夢中になっていたら、ベットに座っていた舞はいなかった。
「……」
なんなんだ? 一体何が起きている?
俺はちょっと怒りを感じながら、思っていると家に誰かの来訪を告げるベルが鳴った。
誰だろう?
俺は気になったが首にアザが見えるので、でることはできないが母親が対応しているみたい。
話声が少し聞こえるが、それよりも首のアザをどうやって隠そうかと考えている。
まだ夏だし、襟のある洋服を引っ張り出しててみる、そしてタオルを首にかけた。
少しはいいけど、完全に隠し切れない。
でも、マフラーをする訳にはいかない。
「昴~」と母親が俺を呼ぶ声がした。
「は~い、なに?」
「お客様よ」と母親
「えっ」夕食前なのに……誰だよ?
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