TS少女のお菓子屋さん。
レイド
第1話
それは……ある日の放課後での出来事だった。
僕の今の状況を一言で言うと……大ピンチって感じです。
まあ何でか言うと……目の前にいるのは、サバイバルナイフを所持した、フードを被った男とも女とも解らない奴がいて、僕に向かって、刃先を向けているからである。
多分、心臓とか一突きされたら、数分の内に絶命するんだろう……僕はフードを被った奴に向かって
「まて……! 頼む!」
そう叫んでみたけど、フードを被った者は、僕の言葉を無視し、突進して、僕の胸にナイフを一突きどころか、何回も刺し込んでくる。何で、こんなに刺されなくちゃいけないんだ……と、思いながら、意識が遠のいていき、最後に聞こえた言葉は
「さようなら、フハハハハハ!!」
それが、僕の聞いた最後の言葉になって、意識がプツリと途切れたのであった。
「……ここは」
気がつくと、草原のど真ん中にいた。
何でこんな所にいるんだ……? と思い、まず自分の置かれた状況を理解しようとした。
1、路地裏で殺人鬼に刺されました
2、意識が無くなって気がつくと、草原のど真ん中にいた。
はい、今ここ
まず思う事は、刺されたって事は、死んだって事だよね?
僕……まだ学生だったのに、色々とやりたい事あったのに……!
そんな事を考えて、目の前に広がっている草原を見て、何か呟いて見る事にした。
「一体ここは何所なんだって……え……? 声が僕の声じゃないよね? ええ?」
まさか……と思い、顔を触ってみる。
触ってみて感じたのは、髪が異様に伸びている事だった。
しかも、黒色だった髪が、茶髪になっていて、長髪になっている。
と言うか……この長さって、女の子みたいな長さじゃないか?
まさか!と思い、体を触ってみる。すると、少量ながら胸の膨らみを確認、慌てて股間を確認する。男のシンボルが全く無かった。
「……OK、解った、つまの女の子になったんだ……」
まさか、死んで性転換するとは……こう言うのは、小説とかの話じゃないかな……? とか思っていたんだけど、頬を抓って見ると、痛みを感じたので、うん、これ現実なんだ……と、実感してしまった。
じゃあ、どうするか……と言われたら、まずやる事が出来た。
それは、顔の確認と自分の名前、それに食料の確保、それに町の発見かな……?
今の状態だと、女の子が草原に独りぼっち、はい、何者かに襲われる可能性大ですよね?って感じだった。
とりあえず……自分の持ち物を確認する事にした。
持ち物を確認すると、腰に一本の剣を装備してあり、あとは、防具らしき物は装備していなく、素材が全く分からない薄着の服に、ロングズボンみたいな服だった。
ポケットがあるので、中を見てみると、中に入っていたのは、一枚のカードで、見た事のない文字羅列で書かれてあるというのに、何故か読み取る事が出来て、と言うのに、名前っぽい感じの言葉で「エルフィー」と読めた。
「これは、自分の名前は、エルフィーって事なのかな……? 身なりからして、剣を装備しているし、ゲームで言うと、女剣士か、冒険者あたりだろうけど……」
僕は、腰に挿している剣を引き抜いて、振ってみる。
持ってみると、重さが結構あって、振り辛かった。
「結構重いかな……でも、これで僕に危害を加えて来る者をやっつけないと、自分の身を守れないかもだしね……」
今の状況だと、草原にいると言う事は、少なくとも僕のいた世界じゃないと思われる。だって……空を見てみると、太陽っぽい惑星が二つ重なって見えるし……
じゃあ、ここは小説やゲームで言う所の「異世界」なんだと思う。
と言う事は、転生して異世界に突入したと言う事なのかな?
「えっと……男だった僕は、一度死んで? この世界にこのエルフィーとして、転生したって事かな……うん、なっちゃったら元に戻る方法は解らないし……しょうがないから、じゃあ、とりあえず……元に戻るとか無理だし……この体で何とかやっていく事にするかな? まずは……町を探すか……と言うか……人に出会って、言葉通じるのかなあ?」
そんな疑問も浮かんだが、文字が読めたので、人にあって会話をすれば、コミュニケーションが取れると期待するしかなかった。
とりあえず僕は、まず町を探す事にした。
どっちの方角に行けばいいのか、全く解らないので、とりあえず当てずっぽうで、歩く事一時間、町らしき物が見えたけど、問題は目の前に現れたモンスターだった。
そのモンスターは、狼みたいな姿をしていて、牙があり、口を開いて「こいつ旨そうじゃね?」って感じで、涎をたらして僕を見ている。
「なんか、いきなりバットエンドって感じなんだけど……こいつには食われたくないかも……」
死にたくは無かったので、腰の剣を構えて、戦う事にした。
出会って最初に、命をかけた戦いをする羽目になるとはなあ……
とりあえず……倒す!と、そう決めて、剣で切り付ける。
真っ二つに切り裂くと、何故かジュっと音がして、消滅した。
「死体が残らずに消滅って、何なんだろ? なんか、ゲームとかにありそうな感じだから、魔物?」
よく見てみると、地面にコインらしき物が落ちていたので、それを拾ってみる。
拾ってみると、ベニーと書かれてあり、読み取る事が出来た。
「これ、通貨かな? じゃあ、あの町で使えるかな……とりあえず、あの町に行ってみるか……とりあえず女の子だし……エルフィーとして、振舞ってみる事にするかな?」
そう決意して僕は、町の中に入る事にしたのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます