宝石が実る木
仲仁へび(旧:離久)
第1話
とある貧乏な貴族令嬢は、ある日の朝その実りを見つけた。
屋敷の裏手にある木の一つに、宝石が実っていたのだ。
朝日にきらきらと輝くその実りを見た貴族令嬢は、歓喜した。
これで、貴族令嬢の生活は楽になろうだろう。
しかし、貴族令嬢は元から貧乏だったわけではない。
両親が統治する領地が貧しくなったため、連鎖的に家も貧しくなったのだ。
しかも、両親は人が良かった。
だから、困っている人達に善意の手を差し伸べ続けて、それでさらに貧乏になってしまったのだった。
けれど、そんな日々はその日を境にひっくり返る。
屋敷の裏手の木が、定期的に宝石を実らせるため、豊かな生活を送れるようになった。
貴族令嬢は、実りの木に感謝し、その木をいつも労った。
栄養を多く含んだ土をあたえたり、日が良くあたるようにしたり。
すると宝石は徐々に大きくなっていった。
数もだんだん増えていった。
貴族令嬢はますます裕福になる。
すると民達に施せる事も多くなるため、結果的に領地も豊かになっていった。
その貴族令嬢は、後の子孫たちにもその木に感謝し続けるよう言葉を残した。
結果、宝石が実る木がある領地は、何百年もその豊かさを維持していった。
それは子孫たちが、その実りの木に対する感謝をずっと忘れずにいたためだった。
宝石が実る木 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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