海賊王になりたい船長のお胸の大砲が最強すぎて負ける気がしない

俺氏の友氏は蘇我氏のたかしのお菓子好き

青の神剣

第1話 欲望の果実、つまりおっぱい。

おっぱい。


それは夢と希望の詰まった、永遠のパイナップル。




お尻。


それは喜びと欲望の詰まった、永遠のピーチ。



しかし。


それは時として、男たちを苦しめるパンドラの箱とも、なり得るのだ……。













「もう限界だっ!!!!」


俺は荒波に揺られる船の上で叫んだ。


元帥げんすいっ!! お気持ちは分かりますが、もう少し。あと少し耐えたください!!」


「無理だ!! このままじゃ、俺が男じゃなくなる……。すまん。」


止める部下を振り切って、俺は船の先頭へと立った。


頭上には真っ暗な夜が広がり、欠けた三日月が光っている。


そして、荒れ狂う海に、すぐそこまで迫ってきた敵艦てきかん


俺たちは海賊。

海に生き、争い続けるもの共。


だから、俺は……ここで止まってはいられないのだ。


「元帥…………。」


俺を追いかけて来た部下が、俺が腰に手を伸ばすのを見て、悲痛な声を上げる。


すまない……。俺はもう、我慢の限界なんだ。


俺が心の中で謝って、自らの腰に手を触れた瞬間。




Ahoy!!アホーイ 敵襲だぞぉ!! ボサッとしてないで、はよ準備せんかーい!」




そんな間の抜けた声とともに、はやってきた。


重厚感のある武装。

何人にも触れさせないという意志の塊。

俺らからすれば、欲望の果実。


なんとでも形容できるそれは、特大の効果音とともに俺の眼前に現れる。


ボインボイン バルンバルン


そんな甘美な音を立て、俺の目の前で大砲おっぱい火を吹く揺れる


手を伸ばせばそこに果実があり、採る揉むことが出来る。


その事実だけで、三発はいける…………何がとは言わないが。


「船長……お願いですから、ちゃんとした服を着てください……!」


俺は久しぶりの戦闘とわくわく顔でその胸を張って、一味の船員たちに指示を飛ばす船長から、目を伏せながら言う。


「ちゃんとした服って何よ!! 私のこの一張羅がちゃんとしたものじゃないって言うわけぇ?」


船長はこちらを向いて、まるで大砲おっぱいを強調するように前かがみになりながら、頬を膨らませて言う。


「違います。お父様の形見なのは皆存じております。ですが、船長がそれを着ると、その、何とは言いませんが、揺れるし見えるし強調されるしで、俺たちはもう爆発寸前なのです……。」


俺はもう何度目か分からないお願いをする。


これは俺だけでなく、船員皆の思いだ。


俺ら『スペース海賊団』の船員の男女比率は驚異の99%。船長以外みんな男なのだ。


そして、その誰もが船長の甘い誘惑おっぱいに負ける寸前で、今日も耐えながら生きている。


周りからもウンウンという頷きが聞こえてきそうだ。


だって、この船長。

齢19、身長155cmの小柄にして、ありえないほどの大砲おっぱいをお持ちなのだ。


そして、肩の出るような赤色の薄いシャツの上に、父親の形見であるブカブカのローブを着ている。


さらには、ミニスカ。しかも、黒タイツ。


そんなの見えまくりですよ。お胸もお尻もすべてが強調されている。


「えぇーいいじゃーん。これ私好きなんだよ。楽だしさ。それに君達のは、こうドバーって出せるじゃない?」


船長は自らの服を広げて見せながら、無邪気にもそう言う。


「それが出来たら苦労してないです……!! あなたのお父様が作られた『海賊たるもの、船上で情欲発するべからず』というクソルールのせいで、我々は出したくても出せないのです。」


俺は船員の声を代弁するべく、心の内をオブラートに包みに包んで申し上げる。


言ってる中身は簡単で、『てめぇの体がエロいから抜きてぇのに、てめぇのクソ親父の作ったクソルールのせいで抜けねぇだろ。こちとら、溜まるもん溜まるんだどうにかしろ。』ってこと。


こう書くと、俺達が悪く見えるが、普通に考えてこの状態で溜まらないほうがおかしい。


船長の親父さんの代は、船長はまだ子供だったから実質船に男しかいなかったし大丈夫だったのだろうが。


俺らは目の前に極上のおかずが吊るされているのにも関わらず、絶対に食べて抜いてはいけなく、もし食べたときには切腹。


という、クソすぎる環境で生きているんだ。

こんなところで、今まで何年も耐えてきた俺達の忍耐力を褒めてほしい。


「へぇーそうなんだ。私あんま気にしてなかったわ。それに、あれって船員向けのものだし。船長たる私に関係はないよね。うん。で、元帥くん。もうそろ、君の出番だよ。」


船長は一瞬ヤベッという顔をするが、すぐに自己解釈して頷くと。俺の肩に手をおいて、ニヒルな笑みを浮かべてみせた。


「……わかりました。やれば、やればいいんでしょ!! 船長、これ終わったら寄港してくださいね? マジで俺たち命がけパンパンなんですから……!」


俺は船長が近づいたことにより、高まる興奮と湧き上がる情熱を必死にこらえながら、懇願する。


掟で定まってるのは、あくまで『船上』。

ようするに、寄港して陸に上がったらナニしても良いのだ。


逆に陸でも駄目だったら、俺たちは今頃死んでる。それが物理的に死ぬのか、男的にか枯れるは分からないが。


「分かってますってアニキ。だから、お仕事行ってきな! 今回は相手雑魚だからお宝はナシで、船だけ傷つけなければオッケーよ。」


船長は親父さん譲りの爽やかな笑いを浮かべて、サムズアップする。


船長の神の寵愛フェイスかわいいお顔で言われると、キュンとすると同時にムラムラする。


「了解です。」


俺は欲望が溜まりすぎて、出してもいないのに、賢者のお時間を迎える限界のサインを感じながら、サムズアップを返す。


さてと、さっきからいっぱい撃ってきてるけど、一発も当たってない本物の方の大砲たいほうさんと、お遊びしますかね。


俺は腰に手を伸ばして、剣を取る。


あぁ、これは変な意味じゃない。決して、腰に手を伸ばしてベルトを取って剣を取った自分の剣を握ったわけではない。


したいのはやまやまだが、できないのだよ。

てか、全然賢者じゃないな、欲望ありまくりだ。


やっぱり、ちゃんと出さないとあの宇宙創生について考える至極の時間は訪れないか。


俺は取った剣を構えて、すぐ隣まで迫ってきた敵船に向けて、閃光弾を投げる。


「えー、それでは皆さんご唱和下さい!! 出発しんこーーーーうっ進攻!!!!」


俺が投げたと同時に、船長が拡声器を使っていつもの挨拶を始めた。


海賊ってのは独自の言葉がある。

Ahoy!! とか、Ayeとか、Nayとかよーそろとか、ヨーホーとか。


これもその一種で、いわゆる願かけみたいなものだ。


船長のよく通る透き通った声が響いたあと、


「「「しんこーーーーう!!!!進攻」」」


男どもの野太い声が船を揺らす。


俺はいつになっても気持ちが昂ぶってくるその光景を横目に、閃光弾で混乱の敵船に乗り込もうと肩を鳴らす。


もちろん、気持ちが昂ったのは、気持ちが昂ったムラムラしたわけではない。


「元帥……!」


「行ってくる。お前も次の港では、楽しもうな。Ahoy!!」


心配したような顔をするお馴染みの部下に、俺は海賊らしい手を挙げる挨拶をする。


Ahoy!!アホーイ!!


部下の声を聞ききらないうちに、俺は敵船に飛び乗った。


あの部下、なぜか昔から俺のことを慕ってくれるんよな。


まあ一応元帥げんすいなんて大層な名前冠してるんだし、部下に慕われる分には良いことだろ。


「よいしょっと!!」


俺は近くにいた敵団員を倒しながら微笑む。


「く、来るな……!!」


「殺しはしねぇっての。」


俺は怯える敵団員をサクッと眠らせて差し上げる。


海賊の夜はまだ始まったばかりなのだ。














 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 


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