歴史学:アンドーラン共和国について

 アンドーランは、アヴィスタン亜大陸の内海沿岸部中部に位置する共和国であり、内海地域の自由の故郷である。

 この国は「アンドーラン共和国憲法」によって、全市民の発言の自由が保障され、この世界における民主主義発祥の地として広く知られている。この国の首都は、アンドッサン河 の河口に位置する巨大都市・アルマス。


◇歴史

アブサロム歴1700年(以下AR):タルドールの植民地として創設される。豊富な木材と良港の存在により、シェリアックス帝国の海軍と交易の中心地となり、強力な市民階層が生まれた。彼らは積極的に海外に雄飛して行き、古代文明アズラントの残骸が眠る島々やアルカディア大陸にも植民していった。


AR4081:カディーラのタルドール侵攻に乗じ、シェリアックス帝国の総督"アスペックス"による征服が始まる。タルドールは二正面作戦を行う力はなく、戦火を交えることなくアンドーランなどの属領の支配権を譲り渡す。


AR4606:人類の守護神たるエイローデンが謎の死を遂げる。以降30年以上にわたる内戦の末、シェリアックス帝国は死せる神への信仰を捨て、悪魔デヴィル崇拝の国となる。


AR4669:悪魔デヴィルの邪悪な支配に対して市民たちが立ち上がる。旧制度は打ち倒され、市民の選んだ代表者による統治が始まる。また、それとほぼ同時期にこの国では奴隷制が廃止される(一部は倫理的な理由で、一部は国内外の反革命勢力に対する反乱を強化するため)。これらの奴隷制度廃止論者の理想は今日まで続いており、国内では人身売買や奴隷制は禁止されている。


◇政治

 現在のアンドーラン最高代表 は正義と勇気の女神・アイオーメディ神のパラディンであるゴドウィン1世であり、行政府を指導する。 最高代表と各大臣を指名するアルマスの人民議会 は、5年に1度の選挙で選ばれた350名の議員で構成され、その多くはかつて貴族階級だったものだが、奴隷の身から上がってきた者もいる。国の仕組みと人民の権利を定めるのは、「4469年憲章」によって保障されている。


 自由共和国の安定性の礎は、効率的で活発な経済システム、平等で透明な統治機構、全ての善の宗教への寛容である、これらの維持のために多大な努力を費やしている。

 銀行制度が非常に発達しており、経済の運行の潤滑剤として機能している。自由な経済活動を求める彼らは革命に大いに協力し、名誉ある地位を占めている。

 しかし、近年は林業組合 のような大ギルド、金融資本や独占企業による経済の支配が進んでおり、政府による規制にもかかわらずその力は増す一方である。


◇軍事

 アンドーランの人々は非常に愛国心に富み、軍隊も徴募兵や傭兵ではなく志願兵によって構成されている。


陸軍の頂点は「大鷲騎士団」である。この軍は、一般軍の中で特に優れた功績を示した志願者のみが入団を認められ、愛国心があり、かつ革命の理念に献身するものなら外国人でも受け入れられる。

 国境と通商路の防備にあたるエリート部隊「黄金軍」、国外でアンドーランの理念と利益のために様々な活動を行う「 鋼の鷲団」、諜報部門である 「黄昏の鉤爪」の3部門に分けられている。


 海軍で有名なのが「灰色船団」であり、「鋼の鷲団」と協力して人身売買の摘発や奴隷船の拿捕と奴隷解放を行っている。


◇宗教

アンドーランは信教の自由を大切にする。悪属性の神ですら違法ではない(ただし人々からは受け入れられない)。アンドーランの精神的な守護神は、鷹の特徴を持つ至高天乃王インペリアル・ロード・タルマンドールである。


◇地理

 アンドーランにはいくつもの大きな都市が存在するが、その一方で自然も多く残されている。3つの大森林は造船業に不可欠の木材を供給するが、森の住人やドルイドとの諍いは数知れない。山岳地帯にはコボルドやゴブリン類が多く住み、近年できた地底世界・ダークランドとの通路からは地下に住まう妖精フェイや異形が現れる。海には他の海域同様に海賊が多く、沿岸の居住地はしばしば奴隷狩りに襲われる。

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