ガキンチョ、街へ行く

第16話 ガキンチョ、現状を知る

「うはあモンスターだらけだ」

ガキンチョは驚嘆した。


「バカそれ差別用語だから」

私はガキンチョをたしなめた。


「そうなの?」

ガキンチョは驚いて聞き返してきた。


「そうだよ」

短くそう言ったが私も詳しいことはよく知らない。


「これではぼうけんがなりたたないのでは?」

ガキンチョは当然の疑問を呈した。


「そうでもないよ、ほらあそことか」

指の先には冒険者っぽい一団が居た。


「お、いるいる」

ガキンチョも納得した。が、


「あのひとたちはなにをたおすのだ?」

ガキンチョの質問は想定内だった。


「野盗とか。そういうのがめちゃ増えたんだよ」

なのであまり街にこなかったのだ。行き帰りが危ない。


「……あのひとたちはそうりょだけじゃない?」

ガキンチョは案外目ざとかった。


「そうだね」

私は肯定した。


「せんしやまほうつかいやしーふは?」

ガキンチョは当然の質問をした。


「私もそれ人に聞いたことがあるんだけど」

私は聞いた事情を説明した。


「僧侶が一番くいっぱぐれないんだって」

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