第8話 ガキンチョの実態

私はある時に気がついた。


「そうか、あんたは」

私はそう言ってガキンチョの注意を引いた。


「ん?」

ガキンチョはイラストから目を離してこっちを見た。


「もともとそんな感じだったよね」

私は正しい事を言った。


ガキンチョが元旦那に似てるというより、元旦那がガキンチョだった。


「…そうかねえ?」

ガキンチョはピンと来ていないようだ。


「飲むものが酒からオレンジジュースに変わっただけじゃ」

甘いもの好きの甘えん坊なところは全く変わっていない。


「…つまりおれはもともとびしょうじょだったのか…」

妙な納得してご満悦なガキンチョだった。


「素体が良かった事だけは認めてやろう」

造形が良くてもイケメンとは言い切れなかったが。


「…もてなかったけどね…」

そりゃあそうだろう。少しは身だしなみに気を使え。


「そうだ、俺、っていうのもやめい」

私は正しい事を言った。


「美少女を目指すならもっと可愛い一人称を使うのだ」

私はこのガキンチョを少し真剣に育ててみようと思った。

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