第3話 転生の経緯

私は元旦那現ガキンチョの幼い頃を知っている訳ではない。


「よくおれだってしんじてくれたね?」

ガキンチョはたまに健気にそんな事を言う。


「なんか判ったからね」

そうとしか言いようがない。


「というか何で転生したの?」

気になっている事を訊いてみたが要領を得ない。


「…なんか、いきなり、どん!って」

交通事故だろうか?


「きがついたらこうなっててこのちかくにいた」

何の説明にもなってないぞそれ。


「まあバチだな」

私は正しい指摘をした。


「まじめにいきてきたのに」

とかいいつつ泣く真似をするガキンチョだった。


「売れない絵描きが何を言うか」

というかほとんどヒモじゃないか。


「あーてぃすと、けん、はうすきーぱー、とよんでくれたまえ」

そんな事を言ってるから売れないのじゃ。


「真面目に働くというのは私みたいな者を言うのじゃ」

とか言いつつも私も結構気楽な家業だが。


「さすがまいわいふ」

なにがマイワイフじゃ。

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