第2話 はっぱいきてる!

 どうにも動けない状況の私に友達からメールがきた。


『最近、ネット小説しか読んでないわ~』


 オススメ作品を教えてもらって読んだことで、ちょっと動けるようになった。


 読むついでに家事をしているだけだ。

 そう自分に言い聞かせて、なんとか家事ができるようになった。


 私はスマホを窓に異世界をさまようようになった。


 そして、読んだどの異世界に転生したいか妄想する。

 でも、今の自分では、どの異世界も生きられる気がしない。

 どこでなにに転生しても大変そうだ。


 保育園からの帰り道、子どもが地面をくるくるまわる落ち葉を見て嬉しそうに言った。


「はっぱいきてる!」


 どこかで似た状況の漫画を読んだことあるけど(そこでは「はっぱがダンスしています!」だったかもしれない)、本当にそう言うんだ、と思った。

 風に吹かれて地面を動く落ち葉が、子どもには生きてるように見えるのだ。


 地面に落ちて風に吹かれただけで喜んでもらえるなら、葉っぱになるのもいいかもしれない。


「生きてるねぇ」

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