気がついたら、攻略されそうです。
レイド
第1話
気がついて、目が覚めると、そこは自分の住んでいた部屋とは全く違った場所だった。
「え……、声が!?」
目を開けて、部屋の中を見てみる。
俺のいた部屋とは随分違い、部屋にぬいぐるみが飾っていたり、鏡面台と勉強机があったり、まるで女の子の住む部屋だと思った。それにさっき出した声も高かったし、もしかして……と思い、胸とか触ってみる。自分で触ってみて気がついた事、大きくはないけど……確かにそこに胸が膨らんでいて、あわてて股間も確認、そこには、いつも見慣れた物はなかった。
これで、俺は確信した。
俺は、女の子になってしまったと言う事に、けど、なぜそうなったのかが意味不明だった、覚えてる限りでは、家でゲームをしていて、急に眠気が襲ってきて、気が付いたら、こうなっていたからである。
ネットとかで、転生とか性転換とかを使用している小説とか見て面白いな~? まあありえね~けどな? とか、思ってはいたが、まさか自分がなるとは思わなかった。
着ている服装も、いつも俺が着ている服装ではなく、ピンクのパジャマだったし、よく見てみると、ブラまでしているので、確実に女だな……と、意識してしまったのである。で、女になったのは、まあおいといて、俺は一体誰になったんだ? と思い、鏡面台があるので、さっそく使っていたベットから降りて、鏡面台で、自分の姿を見て見る事にした。
そこに映っていたのはと言うと
「え……水無月あかね……?」
そこに映っていたのは、栗色の髪のショートカットのかわいい感じの顔で、その顔には覚えがあった。何故なら……その水無月あかねと言うのは、俺のプレイした事があるゲーム「ラブチュチュ」に出てくるヒロインだったからである。という事は……俺、ゲームのキャラになったのか!?っと、心底驚いてしまった。
やった事のあるゲームだから、状況を確認する事にした。
まず、部屋に飾ってあるカレンダーと、時計で日にちを確認してみる。
「っげ……七月一日だと……?」
カレンダーは、七月となっていて、日にちが一日だった。
ゲームでの話で言うと、この「ラブチュチュ」は、6月の初めからスタートして、七月八日で終わりを迎えるのである。8日を過ぎると、トゥルーエンドか、バットエンドに進み、それでゲームが終わる。
最後にはその後どうなったのか、ワンシーンが流れるので、ゲームではよくある設定でもある。水無月あかねを攻略対象にして、やった事のある俺から言わせると、水無月あかねは、六月の最後の日で、ストーリーが劇的に変化するのである。つまり……六月の時点で、選択肢を間違えると、バットエンド確定だったから、日にちが七月という事は、百パーセント、トゥルーエンド確定状態なのであった。
選択肢も、どれを選んでも、トゥルーエンドだったので、それはよく覚えていた。
という事は……
「俺……トゥルーエンド確定ルートだから、主人公と恋愛する羽目になるのか!?」
俺は、想像してみる、主人公との恋愛をする事を……はっきり言うと、嫌だった、男だったので、今さら男を好きになれないし、こんな姿になっても、女の子大好き!なのである。だから俺は、こう決めた。
「決めた、絶対にバットエンドになってやる……」
そう決めて、行動にうつす事にしたのであった。
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