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 でも結局、私はこの場のノリに押し流されることに。彼ら一同に対し、台所部屋を披露する羽目になってしまった。


 となれば、急がねばなりますまい。


「み、皆さん、少々この場でお待ちください。台所部屋は少し散らかっておりますので、軽く整理したらお呼びしますので…」


 言い終わるかどうかのうちに、私は当客間を飛び出した。


 で、しばし廊下を小走りに行くと、この度は居間の中を通らずに、別のガラス戸から台所部屋へ入った。


「こ、今度は、どこへ隠そうか…」


 思案の傍ら、私はヒミコの脇に。無論、いまだテーブルの前に座ったままの美女人形を、椅子を引き引き抱えた。


「そ、そうだ風呂場だ。風呂場に隠そう」


 まさか見学者の皆さんも、風呂場まで見ようとは思わないだろう。いわゆる、お宅拝見番組などとは、ちょっと趣が違うしな。


 ということで、さっそく私は廊下を挟んで斜め向かい、その風呂場へとヒミコを運び入れた。数年前にリフォーム、建物に合わせたシックな佇まいの中、湯船や桶と同様、檜造りの椅子にそれを座らせる。


「よ、よっしゃ、おっけー」


 と、私は身を翻して客間へ戻っていく。いやはや、なんとも忙しいわい。


 だが、それで終わりではありませんでした。


 その後、台所部屋を披露する最中、


「…水回りと言えば、若当主。このお宅は、お風呂場もいいんですよねー、これが」


 あいや、なにを仰る播磨さん。


 もし皆さんが、また見たがったら…


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