第45話 カバ獣人はゴツムチ野郎でござる
ヒト種族の勇者御一行が思ったより早く帰ったので
ケモツーアイランドは拍子抜けした
それでも各種補充やら掃除、ベッドメイキング
明日の仕込みなどもあるので仕事はまだ残っている
それでも残業もなく今日は早く終わるのかな、と皆んな思っていた
すると!、、ケモフィ村に新たなお客さんが来ていた
戻ってきたブーの元へキツネさんが来て
「ケモフィに早くきてでし、急ぐでし」と言われたので走った
「えっ!ウソ、、僕より早いでし」
キツネが驚くのも不思議ではない
熊は遅く思われがちだが実は早い
一般道下り坂なら車より早く走ってた報告もある
追い越された、と
そんなブーがケモフィ村の門番、ロバ獣人のロームさんのところへ行くと何やら騒いでいた
「うわっ!デジャブ」
ところがいつもと違った!
門番の前には大勢の獣人がいた
「えっ何この人数、、、」
ガヤガヤと騒ぐ獣人達、、ブーを見つけると誰かが叫んだ
「あっ!ブーさんだ!獣王様に言われて働きにきました。お世話になります」
「「「「なりますー」」」」
総勢500名
様々な種族
イタチみたいな獣人
鹿獣人
スズメ獣人
カバ獣人
うさぎ獣人
皆んな小柄かな、、と思ったらカバ獣人は一際大きかった!産まれながらのゴツムチ野郎かっ
イタチみたいな獣人は真っ白で眼がくりくりとしていて、鼻が赤い!とても可愛い印象だ
後で聞いたらイタチじゃないよ、オコジョだよと教えてもらった
鹿獣人は雄だけツノが生えていて立派でシュッとしてる
スズメ獣人さんは小柄というか、もはや小さい
今のダサパーリーぐらい、、ブーの膝下くらいである
狸さん達より小さいかな、、何故かカバ獣人の肩に乗ってるし
いや、重くないの?カバさん
幾らスズメさんとはいえ重くないの?
えーっと、、スズメさん達は何の仕事やってもらおう、、悩む
うさぎ獣人はヤミーさんがいたな、と思ったら親戚だそうだ!
良かった知り合いがいて
獣人みんな仲間とはいえやはり知り合いがいないと寂しいよね
というわけで今日は暇かな、と思ったら一気に忙しくなった
487+500、、えっ!やば、、987だって
1000人近い食事って、、、毎日凄い量だね
畑や狩りをもっと拡大しないと間に合わないや、、
「それではみなさんの暮らす家に案内しますー
付いてきてください」
500人で移動してると村人が集まってきて声をかける
「久しぶり、待ってたよ」
「なんだオメエも来たのか」
「おせーよ!待ってたぞ」
「この村はいいぞ」
流石王都の仲間、みんなこっちの村でも知り合いだらけみたい
これなら大丈夫そうだね
「とりあえずここら辺の家に割り振ります
今も毎日建設してるので家が出来次第引っ越してもらうので荷物は最小限だけ出してください
まずは大きな家に100人ずつ住んでください
何か分からない事があれば村長や僕、他の獣人に聞いてください
えーっと、、身体の大きな方には建設や狩りを手伝ってもらいます
身体の小さな方には畑や料理、瓶に調味料を入れたりする雑用から、、ケモツーアイランドのホテルスタッフになってもらいます
もちろん後ほど希望を聞きますので
嫌なら嫌と言ってください
なるべく希望を聞きます
では、、後ほど夕食のときにまた村長からの挨拶があります
本日よりどうぞよろしくお願いします」
「「「よろしくお願いします」」」
さあ大変だ!
500人ってここより大人数だからね
どーしよ、、、イガーと相談だな
「そんならホテル使えばよくね?
今って最上階だけだろ?せめて飯くらい食わせればいいじゃん!食器とかもあるし」
「オォーイガーは時に大胆だね」
「あったりめえよ!虎が弱気でどーすんでい」
「フフフ、、江戸っ子みたい」
「えど?ん?なんだって」
「じゃあご飯だけホテルね!伝えてくる」
「あいよ!屋台料理も作って持ってくよ」
「ありがとー」
「とゆー訳で今から500人分お願いします
あ、、屋台も協力するので、、そうだな、、400人分くらい」
「「「分かりました!」」」
王都から来た仲間の為にみんなで美味しい物を作ってくれるそうだ
良かった!
えーっとあとは、、、あっ!!
そのあとも大忙しだった
仮住まいで寛いでいた王都組を露天風呂に案内して
入ってもらった
流石に500組も水着がないので皆んなすっぽんぽんだ
「ウオオオイ、何だこれ、やべーな」
「デカっ、、風呂でかっ」
「ニョニョッ!あっち側が見えないニョ」
「ウホホ!ひろいなー」
王都組にも大人気のお風呂
、、いや、、カバ獣人さん、、湯船で座ったら腰までしかないじゃんお湯!どんだけ身体デカいのさ
しかもチラッと見えたけどトムさんとタメはるサイズだよ!
流石ジャングルの魔王ことカバ獣人
日本でも「カバが1番ヒトを食べてる」とか噂が飛び交ってたよね!
逆にスズメさん、、、縁に腰掛けて足だけ入れてる、、多分湯船に入ると危ないんだよ、、可愛い。
男性を先に入れて、ホテルの食堂へ案内した後に女性達、
露天風呂を見せるとキャーキャー喜んでいた
「ヒャダっ!ッこんなの王都よりいいじゃない」
「ホント!来てよかったわね」
「ねー!せっけんがいい匂い」
「ウフフ、これに毎日入れるのかしら、、天国みたい」
そう、ケモツーアイランドの露天風呂はみんな入れる
お客様と被ってもいい
むしろ色々な人が居た方がお風呂って面白いじゃん
色々ね!!
「すいません!みなさん
ケモフィ組と盛大にお祝いしたかったのですが
場所がなくて別々になってしまいました
とりあえずここでお腹いっぱい食べてください
あとはケモフィ村でお酒呑めるよう段取りしておきますので
それでは皆さま、、いただきます」
「「「いただきます」」」
「ウホホ、美味そうでござる」何故かござる語尾のカバ獣人さん
「ヒャダっ美味しい」必ず最初に「ヒャダっッ」を付けるオコジョ獣人
「美味しいニョー」ニョーって言うのがスズメさん
「、、、感動」単語ばかり話す鹿さん
「うーまいんだしー」と伸ばしてばかりのウサギさん
なんとも特徴のある仲間が増えてくれました
特にカバさん!
床に座っても皆んなより高いよ!マジで
そういえば明日くる魔王もでかいんだっけ?
部屋入るかな、、、あとでカバさんで試してみるか、、
屋台料理と一般宿泊客用の牛丼や生姜醤油、唐揚げなどをたくさん出したら
全部美味しい、美味しいと喜んでもらえてよかった。
あとで厨房を覗いたら皆んな床に座ってた
「も、、もうフライパンふれません」
「フフフ、お疲れ様でした」
さすが500人、、厨房スタッフの数や調理器具を見直そう
一気に200人分くらい作れる専用の調理器具が必要だよね
カバさんは体がでかいからか20人前をペロり
「こんなに美味しい物をたくさん食べたのは初めてでござる、幸せでござる」と言われた
フフフ、、食いしん坊がまた増えた
次大食い大会やったらカバさん勝つかもね
皆んな満腹になったので村へ移動して歓迎会
ビールを配ってる頃に村長からお話し
あっ!早くしないとビールが温くなっちゃう、、
「、、であるからして、、ええい!ビールを観るなー
ワシを見ろー!」
と、いきなり怒り出したとこで乾杯
フフフ!ビール持たせてから話長いのはダメだよね
話題はもっぱらケモツーアイランドの話
ケモフィ村の人達はまだホテル使った事ないもんね!
あっそっか。
「イガー、、イガー」
「なんだ?ブー」
「ほら、、あの話!ホテルの」
「あー、はいよ!今か?」
「うん」
「えー、コホンッ!皆んな賑わってるとこ済まない
イガーだ!」
「アレが王の、、」
「ヒャダっ大きくなって」
「立派になったでござる」
「どうした?イガー」
「えーっと!明日から交代制にする」
「「「交代制?なんだそれ?」」」」
「つまり休みを作る!」
「「「「休み?」」」」
あー、やっぱり!こっちの世界の人働き過ぎだと思った!多分休んだことないよコレ
「休みってのは自由だ!まずはたまに1日しか休ませられないけど、、例えば朝起きる、いつもなら仕事だろ?だけど休みの人は自由だから働かなくていい」
「「「「働かなくていいの?」」」」
「ああ、しかも、、ケモツーアイランドを利用できる」
「「「「えっ!なにそれ」」」」
「露天風呂はいつも使ってるだろ、、その近くの屋台も無料で食べていい、ショーも見ていい、運動もしていい、さらには休みの人はホテルに泊まれる!まあ一般クラスだけどな」
「「「「「なんだそれ!!!!」」」
「後で皆んなに誰と休みたいか聞くよ!せっかくの休みが独りだとつまらないだろ?友達でもいいし、家族でもいい、もちろんケモツーアイランドに行かないで家でのんびりしてもいい
独りでやりたい事もあるだろうし、、恋人同士ゆっくりしたい時もあるだろう、、運動場で休みの人達皆んなで遊んでもいい
ずーっと露天風呂にいてもいい
今度この村でお金も配布する、、自分の好きな物、欲しいものを買ってもいい
どうだろう、、休みっての、、なかなか良さそうじゃないかな?」
「「「「めちゃくちゃいいよイガー、ありがとう」」」」
「そうだろう?俺もそう思ってたんだ、イッシッシッシ
だって俺たちがこの村を支えてるんだ!この村の事を誰よりも知っておかなきゃいけない
そうする事で気付く事もあるはずだ
もっといい村に、もっと良い国に、、俺たち皆んなでやろうぜ」
「「「「オォー」」」」
「次はブーに代わるぜ」
「みなさんこんばんは
この村も早いもので1000人近くなってきました
ズバリ言います!!
新たな村を作ります!!!」
「ウオオオイ」
「え、もう?はやっ」
「ケモツーの次だから、、」
「そう、、名前はケモサー」
「「「「!!!」」」」
あ、そうか、、thirdは英語か、、
「次の村はケモツーの横に作ります、そうすればホテルを挟んでどっちにも行けるようにします
新たな村の名物、、、それは!!!」
「「「ゴクリ!」」」
「遊園地だー」
「「「、、、」」」
そうね、、分かんないよね!
「えー、コホン!遊園地というのはですね
あ、話が長いのでビール飲んでてください」
その後実に30分は話したブー
地球では恥ずかしがり屋で、人前に出なかった男が
よくもまあこんなに、、、成長ですね!
「とゆー訳で!遊園地って所はとっても楽しい場所になります!もちろん村の皆んなにはフリーパス券を発行するので好きな時に遊べます。」
「「「ウオオオイ、ブーさん」」」
「「「キャー、、ブーさん!」」」
ケモツーはお風呂とお祭り
ケモスリーは遊園地
そう、、、ケモフィを一大レジャーランドにする
それこそ獣王国が世界で有名に、経済の中心に、この世界に産まれたら一度はケモフィに行きたい、と
全ての人の憧れになるようブーは全力だった
しかもケモツーの運動場にある種目の中から
どれか選んで他国との親善試合をしたいと話すブー
その為には他国も豊かになり、休み制度を導入し
運動をする習慣が欲しいと
自分達の国だけではなく
他国にまで豊かになってもらいたいとは
何て懐が深いのだ、と皆んな驚いた
「僕はこの村が大好きです!美味しい食べ物と優しい皆んな
他の国もそうなってほしい、、そう考えてます
もしかしたらそんな事わざわざしなくていい、とお考えの方もいるかもしれません
だけど、、きっと、、仲良くなった方が楽しいと思います。
昨日から来てたヒト種族とうちの村のある獣人が仲良くなってるのを観ました
見た目の違いなんて関係ない
ヒトは皆んな仲良く出来る可能性があるんだと思わせてくれました
けど同時に、、仲良くなれないかもしれない、、って思った事もあります、、、
少しずつですが、、少しずつ仲良くなれたらいいなって
僕のワガママなので無理そうな方はそのままで大丈夫です」
パチ、、パチ、、、パチパチ、、、パチパチパチパチパチパチパチパチ
「ブーさん、、アンタが正しいさ」
「ブーさんはちょっとアレよね!優し過ぎるのよね!でも皆んなアナタが好きよ」
「ブーさん、、おいどんも頑張るでござる」
「ブモー、、ブー様、、ブモー」
「ウウウッ、、ヤマト、、俺はブー様が見えねえよ!涙が出て。、見えねえよ」
「ギン、、僕もだよ!、あの人の優しさは、、すごいね」
「世界中の人と仲良くなるなら、、やっぱり俺は世界一の虎にならなくてはいけないぜ、、イッシッシッシ
なあ、お前達も目指そうなダサパーリー」
「うん、、ゆうえんちー」
「ゆうえんちー」
「やうえんちー」
「何だよやうえんちって、、パーリー、お前そろそろ勉強しろ」
「パパもべんきょーきらいでしょ」
「大人の言うこと聞きましょーねー」グリグリグリ
「いたーい、パパがいじめるー」
「そうか、、もっと村を増やすのか、、、忙しくなるなブー」
「そうだよ!!イガー、、、君は世界一になるんでしょ?」
「ああ、、皆んな俺についてこいよ」
「えー、、イガー?」
「えー」
「ちぇっ!なんだよ、、」
「嘘だよ!期待してるぞイガー」
「任せろ!」
えーって言われてしょんぼりしたイガーだったが
期待してるぞと言われれば頑張らないとと思うイガー
すごく単純であった!
褒めると伸びるを地で行くイガー
頑張れイガー
、、、勉強もしようねイガー、、、
その後皆んなでしこたまビールを呑んでしまったら在庫が少なくなったと言われたブー
1000人近い弊害がもう出た!
「イガー、、イガー、、魔石いっぱい必要になるよ」
「任せろ!俺は世界一の」
「わかったから!作戦会議だ!家に行くよ」
「おおっ!わかった。」
その後片付けは任せて
今後のスケジュールをたくさん話し合ったブーとイガーでした
「おっ!?今日は誰も居なそうじゃな、、ホッホッホ」
一気にザブーンと屋上の露天風呂にダイブする1人の、、一体の?
創造神様
「やっぱりココがいいのー、、ん?これは、、!」
屋上の縁に置かれた箱とウイスキーボトルとコップ
「ホッホッホ、、ブーにはバレてたか、、どれ」
パクっ!!
「オォー、、コレは!!!チョコレートにお酒が入っとるのか?
こっちは?」
パクっ
「ムホー、、また違う酒じゃ!コレは、、日本酒?
さっきのは何じゃ?」
「極楽じゃのー」
その頃ポセイドン様は下の露天風呂でのんびりしていた
「ここで飲むトロピカルドリンクこそ極地!
正に余の為にある空間じゃな
ズズー、、、ムッ、、無くなってしまった
仕方ない、、今日は5杯でやめとくか、、
神様すら好む日本の甘味、、恐るべし、、、
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