第19話 うんうんうんうん
うん。うん、うん、うん
うん、うん。うん。うん
うん、うん、うん、うん
うん、うん。うん、うん
「いや、そろそろよくない?」
うん、うん。うん。うん
「肉取りに行くぞオラー」ブチ切れるブー
「「「「ヒッ」」」」
「イーシッシッシ、そんな怒るなよ!冗談だろ」
「まったく、冗談にしては長い」
遡る事五分前、やっと倒したゴールデンカウからドロップしたのは
ゴールデンカウをもっと小さくした金ピカの牛細工だった
しかも頭がうん、うん、うん、うんと縦に揺れながら横に動くもんだから
ブー以外の5人はハマってしまった
最初は金ピカだから「売ったら高そう」とか「実はコレも肉なのかも」とか「何かの魔道具なのか?」とか
みんな色々感想を言うもんだから笑うブー
コレは多分こっちの神様が
転生者の記憶から赤べこを引っ張り出して金ピカにした趣味アイテムだと思うブー
「フフフ、多分首が動くだけだよ!」
「「「「「へー」」」」」
それはそれで面白いみたいで皆んな動かない
3分経ち、五分経つころ
イガーが首を縦に振りながら横に動かすもんだから
他の4人が笑い始めた
そこからが長かった、、、
緊張の糸が切れたのかみんな笑い始めたら止まらなくなって
4人も順番にうん、うん、うん、うんってやりはじめて
そして冒頭の僕が怒る事になったのだ
「ホラ、そんなの帰ってからみんなに見せればいいから行くよ!あと時間が少ししかないから」
「「「「「はーい」」」」」
うん、やる気がなくなったね
「仕方ない!そろそろ帰るかい」
「えっ、いや、すいません!ちょっと緊張してたのが緩みました!大丈夫です」
「まだやれますハイッ」
帰ろうか?と聞くと一気にやる気だと主張する5人
「いや、丁度良かったのかもしれない
ここからCランクゾーンだからね!
ミツバチさんを何匹か残しておくから
またここから始められるから
明日また来よう!
帰ってみんなで今日取れたお肉で焼肉にしよう」
「ヤッホー」「さすがブー様」「ウォォいっぱい食うぜ」「牛タンっての気になってた」「俺は火鶏かな」
「ハイッみんな捕まって!」
「ビー、家まで移動!」
「ビー」シュンッ ブーの胸ポケットに入ってるクイーンキラービーがビーっと可愛く鳴くと一瞬で景色が変わり
ブーの家に着いた
「2回目ですけど、本当に凄いスキルですね」
「コレは便利だ」
「僕もレアスキル欲しいです」
「今日ゴールデンカウ倒してレベル上がってるはずだから
今度鑑定持ちの人が来た時に調べてもらおう」
「「「「ハイッ」」」」
鑑定ねー、、俺持ってるんだけどね、、、
言えなかったイガーである
外に出ると時間は夕暮れ
夕食準備するには丁度いい
ノム爺の所へ行きデカい網をみんなで持ち出す
広場の焼き場でセットして
あとはテーブルに塩、胡椒、レモン、タレを用意して、、
夕刻の鐘が村中へ鳴り響くと少しずつ男達が帰ってくる
「さあ今日は焼肉だぞー、食える奴から食っちまえー」
イガーがデカい声で叫ぶとどんどん集まってくる
焼き場のブーとイガー
まな板の前のトンガとトンゴと今日ゲットしたクレイジーカウを切ってくれてる
ギンとヤマトは皿に盛られた肉をどんどんと村人に渡す役だ
1つのお皿には溢れ落ちそうなほど焼いた肉が盛られてる
それを各々食べたいだけ持っていける
さらにノム爺が炊き立てのご飯をおにぎりにしてくれてる
「俺は一皿とおにぎり2個かな」「俺は3皿とおにぎり3つ」「私はお肉一皿で充分だわ」
皆好みが違うので「この肉にはレモンだ」とか
「違う、コレは塩のままだ」とか
言いながら食べている
犬獣人は肉体労働で疲れてるのか凄い食欲
来た頃は細っそりしてた身体が少しずつ筋肉と脂肪がつき始めガッチリしてきてる
そして豚獣人も来た頃より筋肉が増してガチポからガチムチ くらいへ変わってきてる
来た時はぽっちゃりしてたのが嘘みたいだ!
みかん箱8個分ほどあったお肉がみるみると減っていく
サーロイン肉のサシが入ったジューシィな部分を焼いて
「サーロインだよー」とイガーが叫べばまだまだ食いしん坊な男達が我も我もと取りに来る
「フフフ、、戦争だねコレは」
「ああ、やべえな!イッシッシッシ」
肉をずーっと焼いてると顔が燃えるように熱い、そして煙い
だけど2人は楽しいのである
皆んなの為に狩りをするのも
皆んなの為にご飯を作るのも
そして、一緒に作る
その笑顔にまた村人も癒されていた
「この村は最高だな」
「ああ、故郷じゃ毎日喧嘩だ」
「ここは皆幸せそうだ」
「ああ、みんな笑ってる」
「飯が美味い」
「ハハ、ちげーねー」
「飯を用意すんのは仕事より大変だからな」
「後で風呂入ろう」
「あ、俺も!」
「あの横のフルーツも食べていいのかな」
「おにぎりウメェ」
フルーツ???
ああ、農家さんが持ってきて置いてくれたんだね
りんごやらみかんやら色々置いてあるや
あんなの観たら食べたくなるよね
「フフフ」「ん?どした?」
「いや、みかんが美味しそう」
「ああ、この肉を煮込んでみかん少し掛けるのもいいな」
「ん?煮込む?。。。。カルビクッパだ」
「カル、、?クッペ?!?」
「カルビクッパだよ、、明日の朝はお肉のスープにしようかな」
「変な名前だな、、でも肉のスープは美味そうだ」
「フフフ、、お肉と野菜をたくさん入れて、少し味を濃いめにつけて卵を入れて、、ああ、ごま油欲しいな」
「卵なら前に育てた火鶏がそろそろ産んでるぞ」
「本当?火鶏の卵は大きいもんね!コレからは卵料理もいけるね、、オムライス?炒飯?炊き込みご飯もいいよね。、ああ、茶碗蒸し作りたくなってきた」
「よく分からんがブーがやるならウメェんだろな」
「フフフ、任せてよ!」
「ああ、」
「お二人さんこんばんは!」
「あ、トムさん!こんばんは」
「おートムさん、おつかれー」
「コレは牛肉だよね?」
「ええ」「そうだぜ、ダンジョンでクレイジーカウが出たんだ」
「へークレイジーカウか、、そのサーロインって部分を貰えるかい」
「ああ、はいよ」
「ありがとう!美味そうだ」
やはり牛獣人だからか牛肉が気になるのか、、
それとも乳牛や今育ててる牛とは別の品種が欲しいのかな、、
近々聞きにいこう!そう思ったブーであった
!!!!!その時イガーは思い出した
「ギン、コレを村長のとこへ!」
ポーンと投げたたソレはギンの手の中に、、
「コレは、、、」アハっと笑うギン
「村長にな」
「ハイッ」
走って持ってくギン
「村長!!コレを」
「コレは、、、」お肉を食べてた箸を止め
テーブルに置くと、、
うん、うん、うん、うん、
うん、うん、うん、うん、
「あははは」「なにこれー」「面白ーい」
突然笑い出す村人達
皆んなより一段高い場所で食べてる村長の方を皆んな観てる
うん、うん、うん、うん、と首を振る
金ベコがそこにいた
うん、うん、うん、うん
うん、うん、うん、うん
「止まんないのこの子」「あははは」「牛さん面白い」「金ピカで綺麗ね」「ママアレ欲しい」
皆んな喜んでいた。
この世界におもちゃなんてないもんね
ああ、竹があるから竹とんぼとか笹舟とか竹馬とか作ろうと思えば出来たな
生活が優先だから忘れてた!
独りゴチるブー
人も増えて、暮らしが安定したら
少しずつ足していこう
まだまだ時間はあるさ
「おい、ブー!次の肉で最後だってよ!!」
「わかった!トンガとトンゴも切り終わったら食べてね!」
「かたじけない」「ハイッ」
まだまだ食べようと駆け寄る豚獣人を
トンガとトンゴが「残りは俺らのだ」と怒ったら渋々帰っていった
「フフフあんなにあったのにね」
「お恥ずかしい、われら豚獣人の食欲のせいで迷惑を」
「何言ってる!見ろ、もう家が出来そうだ!
食った分働いてる!それでいいじゃねえか
明日からもっとダンジョンで肉を持ってこようぜ」
食いたい奴は吐くまで食わせる!
聞こえによっては頼もしいが、、吐くまでって、、大食い番組じゃないんだから、、、
ん??閃いたね今、、、村長ーー
「えーコホンッ、、皆のもの、、ちょっといいかな」
さっきまでガヤガヤしてた広場が一気に静かになる
「盛り上がってる所済まない
こちらのブーとイガーから催しの発表があるとな
えー!では2人とも前へ」
「はい」「おう」
「えー皆さんこんばんは!」
「ブーよコレを使え!」そう言いながら四角いキューブの機械みたいな物が着いてるペンダントを投げてくれたノム爺
パシッと受け取り首からぶら下げる
すると、、、
「あー、、あー、、皆さんこんばんは!」
「おー、、ブーさんの声初めて聞いた」
「おー!こんな声だったんだ」
「キャー、嫁にもらってー」
しつこっ!あげん!!独りゴチるイガー
「えー、今日の焼肉はどうでしたか?」
「最高だぜー」「吐きそう」「もっと食えたな」
「フフフ、最近皆んなの食欲が凄いです!!今日なんてお肉を80キロは焼きましたが、、完食です
よって!今から丁度一ヶ月後
ケモフィ村第一回大食い大会を開催します!!!」
「大食い大会?」「なんだそれ?」「女性は厳しいわ」「わーい」
「男子の部」「女子の部」「さらには子供の部」
何を食べるのかは当日のお楽しみ
とにかくたくさん食べた人が勝者!
たくさん食べた人が英雄
優勝者には豪華なプレゼントを用意してます
どの部も8人まで
制限時間は1時間
予選は半月後!
予選は夕食時、全員参加で行います
審査員及びスタッフとして村長、僕、ノム爺、ロームさん、ヤミーさん
みなさん楽しみにしててくださーい
以上!!」
「わー」「キャー」「ウオオオオォウ」「食ってやるー」「楽しみだぜー」「途中で吐いてもいいなら食えるよな」「吐いたらダメだろ」
イガーとバトンタッチ
「みなさんこんばんは!
突然ですいませんが調味料が心許なくなってきました!!
そこで、主に農家や畜産の方
あとは狩りに行く方にお願いです
作り方を教えるので生産者の方、素材から作って貰いたいのです
ご近所の方、お子さんにも手伝って貰いたい時は声をかけます
勿論その作った物は新たな村で売って利益にしてもらって構いません
ただ毎日の食事に必要な分は提供して下さい
今後も村人が増えたり、新たな村が増えると思います
すいませんが、どうぞご協力をお願いします
そして!!!大食い大会の後、大晦日〜年明けに
第一回ケモフィ村年越し祭りを開催します
来年の新たな村で出す屋台という物を
まずは我々ケモフィ村のみんなで楽しみたいと思います
大晦日はお祭りです♪
みなさんどうぞ楽しみにしててください
「分かったぜイガーさん」「みんなの飯って自分の飯でもあるしな、協力は当たり前だぜ」「ワタシも手伝うー」「ぼくもー」「お祭りー」「何だそれー」「分かんないけど楽しそうー」
みんな協力的でよかった!
実は嫌がられたらどうしようかと思ってたイガー
自分は皆んなの為にって動けるが
働きたく無い人もいるかもしれないし、体力的にたくさん働けない人もいるだろうから言い辛かったのだ
でもコレで少し手伝って貰えば違う事にも挑戦出来る!
毎日時間が幾らあっても足りないイガーであった!
「なあ、大食い大会って面白そうだな」
「フフフイガーもやるかい?」
「いや、俺はそんな食えねえ!トンガ達観てるとダメだろ」
「フフフ、そうだねー」
「お祭りってのも大変そうだけど楽しそうだな」
「うん、大人が頑張って皆んなを楽しませるイベントっていうんだよ」
「ふーん、、楽しいのは大好きだ」
「うん」
「なあ、コレ観てくれよ」
「なーに?」
両手を合わせてピカーッと光らせて
現れた小さい黒い魔石をブーに見せるイガー
「!!!コレは、、魔石生成スキル、、かな」
「えっ!驚かねえの?」
「いや、、驚いたさ!うん、、イガーはやっぱり凄いね」
「チェッ!なんだよ、隠してて損した」
「ああ、でも僕以外にはやめた方がいいよ!」
「そうか、わかった、、、あとさ、、鑑定ってのも出来るんだ」
「えっ!!鑑定って、、ああそうかっ!君はやっぱり、、何でもない」
「なんだよ!鑑定も驚かねえのかよ!ったく」
「ああ、いや!驚いたさ、、でもコレも他の人に言わないでね!結構やばいスキルだから」
「またか、、分かった!、、それでさゴールデンカウ倒した後に自分にやってみたらレベルが上がってた」
「ああ、そりゃゴールデンカウは経験値10000だからね!
今頃ギン、ヤマト、トンガ、トンゴは自分の成長を実感してるんじゃないかな」
「ああ、なんか元気になった気がするからな」
「フフフ、種族毎に限界レベルがあるからね
そこまで行くと進化するよ」
「へ?シンカ?なんだよそれ」
「、、、まだ教えない」
「なんだよ!言えよー!」そう言いながらあっかんべーをするイガーであった
その後村人の誰に何をお願いするか
大食い大会はどうやるのか
お祭りは?
2人はビーとミツバチと遊びながら夜遅くまで話し合った
その頃トンガとトンゴとギンとヤマトは別の所が元気過ぎて困っていた♂
「なんだ!まだ来ないか、、、退屈じゃな!」
ダンジョンの奥深く、誰かが独りゴチる!
今後の催し
大食い大会
「クリスマスケーキとクリスマスチキン配布」予定
年越し祭り
年明け餅付き「予定」
凧揚げ、竹馬競走、「予定」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます