第101話 そろそろ限界な女教師百合華
女教師――――
それは男子の憧れ。
永遠の夢とロマン。
教壇に立っている時は凛々しく厳しめなのに、個別授業では手取り足取り優しく指導してくれそうな、そんな二次元にしか存在しないような超美人で超魅惑的で超エチエチな女教師。
そう、そんな夢のような先生がこの学園には存在した。
明石百合華 二十三歳
吸い込まれそうな大きく美しい煌く瞳、完璧な造形を描く超美形な顔、つい触りたくなるような艶めくサラサラな髪、見る角度やタイミングによって天使のように可愛くも悪魔のような女王にも見える表情。
いつもタイトなスーツに身を包み、はち切れそうなほどパツパツに内側からスーツを持ち上げる巨乳、理想的に細くキュッとくびれたウエスト、短めのスカートを持ち上げるプリッと上を向いたムチムチの尻、誰もが挟まれたいと願う完璧な肉付きの太ももから伸びる長い脚、それを20デニールの薄く肌がスケスケの黒タイツに包みエロい事この上ない。
可視化できそうなほどのフェロモンを放出し、多くの男子生徒を魅了して止まない存在だ。
髪をかき上げる仕草も、ブラウスやシャツに薄っすら浮き出たブラの柄も、腰を曲げた時にタイトなスカートに映るパンティーラインも、ムチッとした完璧なラインを描く芸術品のような脚も、その全てが此の世の者とは思えないほど男達の目を捉えて離さない。
反抗的な生徒も、その超絶的な美しさと威圧感で黙らせてしまう。
男子の誰もが『個別授業で色々されてぇ』などと口々に言うが、その夢は叶うことはないだろう。
そう、百合華は身も心も既に一人の男のものなのだから。
「少し話があります。放課後に生徒指導室に来なさい!」
ピリピリした感じに百合華が言う。
教室で貴美と話しているのを嫉妬した百合華が、合法的に愛しい義弟を呼び出したのである。
生徒指導室に呼び出された悠が、誰も見ていない密室なのをいいことに、もの凄い勢いで百合華に迫られてしまう。
家ではずっとイチャイチャしまくっているというのに、学園内で二人っきりになると途端にデレデレなのだ。
禁断で背徳的で秘密の関係。
それが、悠と百合華っだった。
春を迎え悠は進級し、百合華はそのままクラスの副担任から担任へとなる。
担任が百合華に決まった時は、クラスの男子達は狂喜乱舞だった。
憧れの美人女教師が担任なのだ。
男子はもとより、女子までもウットリさせてしまう、まるでサキュバスのような魔性の女。
超シスコンで百合華が大好きな悠は、日々パワーアップする百合華のエッチなスキンシップに、狂おしいほどの愛情と欲望の狭間で、もう限界を迎えそうになっていた。
家路を急ぐ悠が心の中で呟く。
はぁ~っ……
どうしよう……
もう限界だ……
今夜あたり間違いを起こしてしまいそうだ……
この二人、実はまだ最後の一線を越えていなかった。
あれだけ毎日イチャイチャしまくり、新婚さんのように甘々でラブラブな生活をしているのに、まるで百合華の寸止めプレイと悠の焦らしプレイを楽しむが如く。
元旦に『今年こそエッチ』とか約束させられてるんだよな……
あれから日に日にエチエチ圧力が増すばかりなんだけど……
いや、前からエチエチだけどさ。
ガチャ!
玄関の鍵を開け、悠が家に上がる。
百合華と姉弟になってから、数え切れないほどキスをして、数え切れないほどハグをして、数え切れないほどオシオキされた家だ。
そんなに毎日イチャイチャして飽きないのかと思われそうだが、飽きるどころかますます大好きになり、際限なく求め合ってしまうのだ。
「はぁ……お姉ちゃんと添い寝したいぜ」
リビングに入ると気が緩んで本音が漏れる悠。
「…………って、俺は何を呟いてるんだぁ~っ!」
百合華の誘惑に『ダメダメ』言っておきながら、実際はイチャイチャエチエチしたくてたまらない。
あんなに可愛くて優しくてエロくて柔らかくて良い匂いの姉に、ここまで耐え続けた自分を褒めてあげたいくらいだ。
「もう六年か…………」
あの運命のような日を思い出す。
俺も、もうあの頃の子供じゃないんだよな。
そりゃ、まだ一人前の大人とはいえないけど。
進路はまだだけど、お姉ちゃんのスパルタオシオキ学習法で成績も大丈夫そうだし、もうそろそろ彼氏彼女の関係になっても良いのかな。
それにしても……
スパルタオシオキ学習法を考案したお姉ちゃんって天才でしょ!
あれはマジで勉強してしまう。
てか、あれだけイチャイチャしまくって、新婚さんプレイまでしてるのに付き合ってないとか変だけど……
いやいやいや!
実際エッチするとなると超緊張しそうなんだけど。
ヘタクソとか思われたらどうしよう……
上手くリードできるか心配になってきた……
いきなり失敗して、お姉ちゃんに愛想尽かされたら……
余計なことまで考えてしまう悠。
上手くリードどころか、エロ魔神と化した百合華に、美味しく食べられてしまいそうな気もするのだが。
まてまて、まだ心の準備が。
お姉ちゃんの体調とかあるしな。
一旦、落ち着こう。
悠さえ首を縦に振れば速攻で合体なのだが、ちょっとビビり気味になってしまう。
仕方がないのだ。
最強ラスボスのような百合華なのだ。
超可愛くて超美人で超エロい姉を前にして、意外と善戦している悠は凄いのかもしれない。
「テレビでも観て落ち着こうか」
ピッ!
テレビのリモコンを付け、チャンネルを夕方のニュース番組に替える。
スポーツ特集で、リポーターが新人選手にインタビューしていた。
『はい、今日は若くして日本代表のエースの座を勝ち取った、新たな女子バレーのヒロイン松風美雪選手に来ていただきました』
『よろしくお願いします!』
テレビに見知った女子が映る。
刈り上げていたショートヘアから少しだけ髪が伸び、ショートボブが似合っていて王子様風なところに女性らしさも加わっていた。
「えええっ! 松風先輩がテレビに出てる。しかも日本代表って……凄い、本当にエースになったんだ」
衝撃的映像に自然と悠も声が出た。
えええっ!
『松風選手は
『がははっ、ボクはバレーが好きだから楽しんで励んでいるだけで、プレッシャーとか関係無いですよ』
『す、凄いですね』
『好きだからこそ頑張れるんです。スポーツは楽しむものですから。ボクはバレーで世界トッププレイヤーになって五輪で金メダルを取ります。そして、引退した後は指導者を目指し、子供達にバレーの楽しさを広めたいと思っています。とかく体育会系や団体は、体罰やパワハラなどが後を絶ちませんからね。ボクが指導者になった暁には、日本のスポーツ界隈から体罰パワハラを無くし、皆がスポーツを楽しめる団体を目指します』
「うおっ、松風先輩めっちゃ良いこと言ってる。本当に引退したら協会トップになりそうな勢いだ。いや、協会どころか、将来国会議員になってスポーツ庁長官や文部科学大臣になりそうだぞ」
豪快で変わった先輩だが優しさと真面目さも兼ね備える美雪に、テレビを観ている悠も感銘を受ける。
「前に自分で『将来有望』とか言ってて変な先輩だと思ったけど、やっぱりこの人は本当に大物かもしれない。さすが女戦士ヒルデギュート!」
テレビではインタビューが続いている。
『松風選手、まだ若いのに五輪金メダル宣言。そしてスポーツ協会の改革まで打ち出しました。凄い自信です』
『もちろん、恋もバレーも押して押して押しまくりですよ。がははっ!』
『恋といえば、松風選手は男性の好みはどんな方なのですか?』
『えっ、ええっ、こ、好み……』
それまで堂々としていた美雪が、急に大きな体をモジモジさせて恥ずかしがる。
『やはり同じようにスポーツマンで背の高い方とか?』
『わた……いや、ボクは……できれば年下のピュアでおとなしめの男子が好みなのだが……』
『あ、はい……』
それまでの威風堂々とした態度から、急に乙女チックになってしまい、リポーター女性が困惑してしまう。
ガチにリアルな好みを喋り出して、ちょっと変な空気になった。
『は、はい、以上、期待の新星ヒロイン特集でした』
中継がスタジオに戻り、次のニュースへと移った。
「うっ……松風先輩、相変わらずだな」
カメラ越しにモジモジして見つめる瞳が完全に恋する乙女だった。
もしかしたら、まだ悠に未練があるのかもしれない。
因みに、この後――――
男まさりな女子バレー代表エースが、恥ずかしそうにモジモジする動画が拡散され、ネット界隈の男性陣に大人気となる。
人はギャップ萌えに弱いのだ。
意図せずキャラ付けは大成功になった。
――――――――
「ただいまぁ」
百合華が帰ってきた。
「おかえり、お姉ちゃん」
すぐに悠が顔を出す。
少し疲れた時も、最愛の弟の『おかえり』で元気が出る百合華なのだ。
鞄をその辺に置いたまま、悠に向かって飛び掛かる。
ガバッ!
「ユウ君! ユウ君! ユウくぅ~ん!」
思いっ切りハグして、ぎゅぎゅっとされる。
おっぱいの圧力で至福の感覚だ。
「お、お姉ちゃん……とりあえず着替えた方が。スーツがシワになるよ」
抱きしめられたままリビングまで押し込まれる。
ソファーに座らされ、百合華は膝の上に座ってしまう。
「ユウ君、お姉ちゃんのタイトなスーツ姿好きでしょ?」
「うっ……す、好きだけど……」
ボディラインを強調したタイトなレディーススーツ。
家に帰り胸元を大きく開けて、おっぱいの谷間やブラが見えている。
短めのタイトスカートがムチッとした尻に張り付き、スリットの入った部分から太ももが見え、スラリと長く美しい脚が伸びてセクシー過ぎる。
これほどタイトスーツが似合う教師は百合華だけだろう。
「ほらぁ、生徒指導室の続きだよ」
ムッチリした尻を悠の膝の上でグリグリさせ、両腕を首に回し大きな胸を顔に押し付けてくる。
「す、凄い……」
それだけで夢見心地になってしまう。
うはぁ……
すっごい良い匂い……
お姉ちゃんの匂い好き過ぎるよ……
柔らけぇ~~~~
で、でも……ケツ圧が凄くてヤバいぜ……
百合華のプリッと大きな尻が凄くて限界突破しそうだ。
「あの、お姉ちゃん、降りて」
「いや! ユウ君が女子とデートするんだもん」
貴美が美容院に連れて行くのに妬いているようだ。
「デートじゃないのに。髪を切るだけだよ。きっと」
「もぉ、とりあえずオシオキなの!」
「えええ……」
とりあえずオシオキしないと気が済まないらしい。
悠を押し倒すと、黒スト脚で顔を挟まれる。
「うっわ、ちょ待て! エロ過ぎだって」
「ふふっ、好きなくせにぃ」
ニマニマとエッチな顔で、脚を巻き付ける百合華。
悠のフェチは把握済みだ。
「えいえいっ!」
首に巻きついた脚がどんどん締まり、ツームストンパイルドライバーのような体勢になる。
逆さで向かい合い脚で首を絞める体勢だ。
長年のプロレスごっこで百合華の技のキレも完璧だ。
ムチムチのタイトスカートの尻が、どんどん顔に迫ってくる。
「待て待て! だからケツが近いって!」
「このままぁ、くっつけちゃおうかな?」
「やめろぉぉぉぉ~っ!」
今年は百合華との仲を進展させようと思う悠だが、姉のドスケベさが恐ろしくなってしまう。
色々と限界な女教師の姉が、ぐいぐい迫ってくる毎日なのだ。
迫りくるプレッシャーとケツに、悠は決断の時が近付いているのを感じた。
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