お姉ちゃんは、義姉で先生で超ブラコン! 親の再婚で爆誕した美人で可愛いエロ姉が、ぐいぐい迫ってくるのだが。
みなもと十華@『姉喰い勇者』発売中
プロローグ
第1話 プロローグ~義姉が俺を溺愛し過ぎて困っているのだが~
世の中に運命と呼べるものが存在したとして……もし、それが許されざる禁断の関係だったとしたら、人は皆その愛を諦めるのだろうか?
否っ!
禁断の関係であるからこそ、人は燃え上がるような激情に身を焦がし、引き返すことのできない強く深い愛に突き進んでしまうものなのだ。
――――――――――――
キーンコーンカーンコーン――――
授業終了のチャイムが鳴り、教室の生徒たちが一斉に動き出す。
部活動へ向かう者、友人と寄り道をしようとする者、真っ直ぐ帰って趣味や自分の時間に没頭する者と様々だ。
あまり目立たない普通の印象で特にモテるタイプではないのだが、何故か年上女性には割と構われる男だ。
母性本能をくすぐるタイプとでもいうのだろうか。
特にイケメンというわけでもないが、
そんな悠だが、今日は早く帰ってゲームでも楽しもうと思っていた。
「悠!」
悠が立ち上がろうとすると、クラスメイトの
中学の頃からの同級生で、何かと悠に絡んで来る女子だ。
すらっと瑞々しい肢体にセミロングの艶やかな髪、活発そうな表情で少しだけ強気なイメージをしている。
「中将さん、何か用?」
「はあ、用がないと話し掛けちゃいけないの!?」
「い、いや、そういうわけでは……」
この貴美、以前から何かと悠に突っかかって来ることが多いのだ。この日も適当な理由を付けては悠にちょっかいを掛けていた。
年上女性だけでなく、こういった強気な感じの女子にも構われるのが悠である。
「ねえっ、髪伸びたよね? 切ったら? 私が美容院紹介しようか?」
「でも、別に髪型なんてどうでもいいし」
「良くないよ! それだとオタクっぽくてモテないよ」
「別にモテなくても……」
「ダメっ! 悠がそんなだと、付き合いの長い私が恥ずかしいの!」
何で彼女が恥ずかしいのか分からないが、とにかく悠を美容院に連れて行きたいようである。
「今度の日曜日空いてるよね? じゃあ決まりで」
「いや、決まってないし」
強引に決められそうになっているところに、思いがけない人物から横槍が入った。
「ちょっと、明石君! 先日の進路調査票を、まだ提出していないわよね?」
「えっ、お姉……先生」
今年から担任を受け持つことになった若い女教師である。
美しく長い黒髪に大きく魅惑的な瞳、スーツをパツパツに盛り上げる巨乳が強く主張して、ブラウスにブラの柄を微かに浮き立たせている。
くびれたウエストからは官能的な曲線を描く尻のラインを際立たせ、短めのスカートから伸びた肉感的な太ももを黒パンストに包んでいる。
まるで芸術品のような脚を見せつけているように。
フェロモンが可視化できるのではと思う程の色気を撒き散らしていて、男子生徒の中には『個別授業で色々されてぇ~』などと口々に言うファンが多い。
そして、悠の姉でもある――――
「少し話があります。放課後に生徒指導室に来なさい!」
ピリピリした感じで百合華はそう言うと、凛とした表情のまま教室を出て行った。
百合華が行ったのを確認した貴美は、悠に顔を寄せる。
「悠のお姉さんって、相変わらず弟には厳しいよね? やっぱりアレかな? 身内びいきに思われないように、敢えて厳しくしてるとか」
グイグイ来る同級生女子には目もくれず、悠はため息をついた。
「はあっ……取り敢えず生徒指導室に行ってくるよ」
「日曜日の件、考えといてよね!」
悠は、特にイエスともノーとも答えずに教室を出た。
余計な事になると後で恐ろしい目に遭うからだ。
◆ ◇ ◆
「失礼します」
悠が声を掛けてから生徒指導室の扉を開ける。
「来たわね。早く座りなさい」
百合華はピリピリとした態度のまま、入り口まで行き悠を部屋に入れると、妖しげな表情になり後ろ手でドアの鍵をかけた。
カチャ!
施錠し誰も入って来れないのを確認すると、百合華は凄まじい勢いで距離を詰め悠に迫る。
ムチッとした大きな胸が当たるのも気にもせず、身を乗り出すようにカラダを密着させると、先程までとは全く違う態度で喋り始めた。
ガバッ! ぎゅ~っ!
「ユウ君っ! もうっ、何なの! あの子とイチャイチャしてたよね? そんなに若い子が良いの? ユウ君が溜まっているなら、お姉ちゃんが気持ちよくしてあげるって言ってるでしょ! もお~っ、お姉ちゃん、ユウ君が悪い女に捕まっちゃわないか心配で心配で!」
「ちょっ、近い! 離れろ!」
教室での凛とした大人の雰囲気を漂わせていたのとは
そう、この女――
度を越えた超ブラコンなのである。
「だから、中将さんとは世間話をしていただけだから。何も無いから」
「ええーっ、あの子、絶対ユウ君を狙ってるから! メス顔してたし! ユウ君、気を付けてぇ~っ!」
「ないない、絶対ないから! 何だよ、メス顔って……」
貴美が聞いたらひっくり返りそうな発言が飛び出す。
「もうっ、ユウ君は女の子と話すの禁止です!」
「無理だから! それじゃ学校生活送れないから! いい加減にしないと怒るよ」
「わあああああっ、ご、ごめんねユウ君。お姉ちゃん、ユウ君のことが心配だから……」
抱きついて胸やら太ももやらをスリスリと擦りつけている百合華に、若く性への衝動も強い年頃の悠は色々と限界を感じていた。
それというのも、悠と百合華は義理の姉弟であり血は繋がっていないのだ。
親の再婚でエロくて超絶美人の姉ができてしまい、多感な時期を四六時中エロ義姉に周りをウロウロされているのである。
もう安らげる暇も無く悶々とする毎日を送っていた。
家の中で、こんなエロい女が下着姿やバスタオル一枚で歩いているのだから、もう日々の我慢も限界で爆発寸前になるというものだ。
百合華としては、わざと誘惑する為に悠の前でだけ無防備な姿を晒しているのだが、そんなことは知らない悠としてはチラ見しつつも目のやり場に困りまくっていた。
それはまるで、誘惑したい姉と、耐え続ける弟の戦いのように。
「もう、用件は済んだでしょ。俺は帰るから」
「ええ~っ! ユウ君、一緒に帰ろうよぉ~」
「ダメ! 学校では先生と生徒の立場を
当然ながら、教師と生徒の恋愛など
徳川家康が諸大名を統制する為に作らせた
切腹や粛正はされないが、大問題になること必至である。
ついでに二人は、表向きは姉弟ということになっているのだから更に大問題で、世間から
そして、立場を弁えると決めたのは百合華だったはずなのに、もう生徒指導室でこっそりイチャイチャしたがっているのだ。
本当に困った姉である。
「ユウ君、ごめんね。教室では、あんなピリピリしちゃって……。ああして自分を律してないと、すぐボロが出ちゃいそうなのぉ~」
「それは分かってるから良いよ。じゃあ、もう帰るから」
「ユウ君~また後でね~っ。今夜は一緒に寝よっ!」
「寝ないから!」
生徒指導室を出て廊下を歩く悠の心臓の鼓動が速くなる。
ドキドキドキドキドキドキドキドキ――――
(ううっ、凄く柔らかかった……。それに……何だか良い匂いがするし……。ダメだぁ! あんなの耐えられない。一体どうすれば良いんだぁぁぁぁぁぁぁーっ!)
そう、この男――
お姉ちゃん大好きな、超シスコンなのである。
先程抱きつかれた時も、メッチャメチャ強く抱きしめ返して思いっ切りチュッチュしたいのを、鋼の意志で耐えていたのだ。
もう、姉への想いが溢れ出し抑えられないほどに。
(はあ~っ……どうしよう……。もう限界だ、今夜あたり間違いを起こしてしまいそうだ。お家に帰りたくないよぉ……。でもやっぱり帰ってお姉ちゃんと一緒にいたい! はあぁ……)
そう、この物語は――
義弟を誘惑しようとグイグイ進撃してくる姉と、義姉が大好きなのに許されざる恋だとか責任を持てるようになるまで待とうだとか必死に抵抗する弟の、互いの誇りと信念を懸けた愛と勇気と希望とエチエチによる戦いの記録である。
――――――――――――――――――――
皆様、この小説をお読み頂き誠にありがとうございます。
この作品は、お姉ちゃん大好きで、お姉ちゃん萌えで、義姉とイチャイチャしたい、全てのお姉ちゃん信者に向けた物語です。
二次元作品などの、お姉ちゃんキャラが大好きな人に向けて、全力で妄想を具現化し姉萌え世界を創造させる内容となっております。
読んで絶対に損はさせません。(たぶん……)
もし貴方が、お姉ちゃん大好きだったり、もっと姉萌えしたいと思ったら、よろしければフォローや星やレビューなど頂けると、とても嬉しく作者のモチベアップになります。
迸る情熱の姉萌えコメントもお待ちしております。
それでは、よろしくお願い致します。
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