第一章 自称彼女

プロローグ

 どうする……。

 めんどい事になった。

 まだHR前だと言うのに俺の教室はシーンと静まり返っている。

 ヒソヒソと話し出すクラスメイト達。

 俺を白い目で見る女子達。原因は俺の幼馴染達にある。


 朝、自分のクラスが書かれてある掲示版を見た時は一人で勝手に浮かれていた。

 偶然にも幼馴染達の名前が俺のクラスには入ってなかったからだ。

 それだけじゃない。

 一年の時からずっと好きだった華月かづきうたと同じクラスにもなれた。

 だから油断をしていたんだ。

 幼馴染達とクラスが離れても、同じ学校に居る以上逃げれないから。


 今まで話した事の無い華月さんと話せる絶好のチャンス!かと思ったのだが……。

 突然、俺のクラスに四人の幼馴染達が現れた。

 そして彼女達はニコッと微笑むと、教室の中へ入って来て俺の周りに集まった。

 嫌な予感しかしない。

 俺の額からは冷や汗が流れている。

 クラスメイト達は何々?と言うような素振りで、俺とこの四人の幼馴染達を交互に見ていた。

 すると何を言い出すのかと思いきや、彼女達はとんでもない誤解を生むような発言をして来た。


「あんたが可哀想だから彼女になってあげたのに何で湊は私を置いて行くの?」


「みっ君には私と言う彼女が居るのに。でも安心して? 邪魔する女は例え幼馴染でも殺っちゃうから♪」


「酷いよ…。みぃ君は私の事嫌いなの? 私は愛してるのに。こんなに彼氏の事を想ってる彼女は私だよ?」


「くーちゃんは世界一カッコいい彼氏だよ! くーちゃんの全部を私は愛してる! 私を置いて行ったのは一緒に登校するのが恥ずかしかっただけだよね!」


「「「「私達付き合ってるもんね!!」」」」



 おいおいおい!

 皆好き勝手言ってますが、俺は誰とも付き合ってねーーー!!

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