第13話 仲間を犠牲にした世界で



 数日後。

 クレアは永遠の眠りについた。

 彼女を安全な場所に移動させるために、反対派とひともんちゃくあったけれど、それもなんとかなった。

 なってしまった。なんとかしてしまった。


 私達は仲間を犠牲にして、生き延びたのだ。


 私はオルタに「ねぇ、私達のした事って間違ってるのかな」そう尋ねた。


「あんまし言いたくないけど、気分は良くないよな」

「そうよね」

「でも」


 オルタは私の事を慰めるように、頭を軽く叩いた。


「キャロが何にも考えてないで、あんな事を決断したりしないだろ。だから俺はキャロが間違った事をしたとは思わない」


 いつもは馬鹿な事しか言わないくせに、こんな時は真面目なんだから。

 ちょっと泣きそう。


「ばかオルタ。私が聞いてるのはそういう問題じゃないわよ」

「でも、正しいとか間違ってるとかで分けられる問題でもないだろ?」

「それは、そうなのかしら」


 胸のうちにもやもやしたものがわだかまっている。

 けれど、クレアを犠牲にしない方法を選んでも、どっちにしろ悩んでいた。

 結末は一緒だっただろう。


「あいつが守ってくれた世界で、生きようぜ。それが恩返しだろ」

「そうよね。それがクレアの為にできることだものね」


 選択したのだから、私はもうこの世界で生きていくしかないのだ。

 仲間を犠牲にして、オルタを生かす、この世界で。


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