デスゲームを企画したのに…、人外には通用しませんでした
仲仁へび(旧:離久)
第1話
大変な手間をかけてデスゲームを企画したのに……、
一体、なんでこんな事になってしまったんだ。
俺は、デスゲーム運営者だ。
お金持ち達に刺激的なゲームを楽しんでもらうために、様々な工夫をしてデスゲームを企画している。
幸いな事に今までは大好評だった。
選抜するメンバーはこの世から消えても不思議ではない者達「借金の多い人間や、人間関係でトラブルを抱えているもの、重い病気を患っているものなど」を集めている。
証拠も残さないように、しっかり人目のないところでさらっているから、警察に嗅ぎつけられたことはない。
だから、今度も成功すると思ったんだ。
それなのに……。
モニターの向こうで、一人がゲームに失敗したようだ。
あなたはゲームを失敗しました。
よって、罰をあたえます。
ここがデスゲームの醍醐味。
なのだが。
「ふんっ、筋肉! 筋肉ぅ!」
その人物が筋肉を盛り上がらせたら、降り注いだ銃弾の雨を弾き飛ばしてしまった。
人間じゃない。
別の罰ゲームの機会では、
「魔王である我に、その程度の物理攻撃が通じるとでも? メテオ魔法でももってこい」
何か透明な球体を展開して、四方八方から襲い来る人食い獣を防いでしまった。
こいつも人間じゃない。
極めつけには、
「あははっ、神様の子供に喧嘩をうろうなんて、いい度胸だねっ! おしおきしてあげなくちゃっ」
落とし穴に落とそうと、仕掛け床を作動させたのに、なぜか宙に浮いている子供。
人間じゃない。
ここのところ、デスゲームの企画しすぎで疲労がたまっているのかもしれない。
夢を見ているのだと結論付けた俺はゲームを途中で放置して、仮眠をとる事にした。
現実でもこんな体たらくでは、資金を提供してくれている者達の不満をかってしまう。
しっかり、休養をとっておかなければ。
事実、目を閉じるとすぐに眠気がやってきた。
「むっ、拙者の筋肉の前に手も足もでないとは。修行場所としては少々不足だったか。ぐわっはっは! やはり筋肉は正義!」
「ふむ、この世界にも我の力を上げるようなものはなかったようだな。無駄な時間を過ごしてしまった」
「ふぁー、なんか飽きちゃったな。遊びも面白くないし。そろそろ神様が留守に気づいちゃうから、かーえろ」
デスゲームを企画したのに…、人外には通用しませんでした 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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