304坂 魔法使いが職業としてあるのなら迷うことはないのだが

 俺たちが住むこの世界は物理世界。


 つまり、物理法則が中心にあって最優先に作用するため、精神の力は弱く作用はないに等しい。


 小説やマンガなんかのファンタジー世界であれば、魔力を素に精神の力が強くて大きく作用するから魔法が使えるってわけだ。


 でも精神そのものは俺たちにもあるわけだから、魔力のようなきっかけさえあればこの世界でも魔法が使えるようになるかもしれない。


 そうなれば俺は迷うことなく雷撃系の魔法使いになるけどな。




 ガララ──────────。




 ブタがスケボーにのって坂道をおりてきた。


 黒いローブを着て右手には木の杖を持っている。


 典型的な魔導士の格好だな。




 ピシュ────、ブーン。




 !?


 杖が仕込みになっていて、光の剣を出したぞ!


 なんか宇宙戦争的な映画を思い出すが、ブタのあれ、本物か?


「……」


 発達した科学は魔法と見分けがつかない、みたいな話を聞いたことがあるが、なるほど。


 納得だ。

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