163坂 エイプリルフール

 今日はエイプリルフール。


 嘘をついてもいい日だ。


 公園で待ってるみんなに、どんな嘘をつこうかな。




 シュワン。

 ガララ──────────。




 !?


 い、いま。


 空間の丸い穴から出てきたブタがスケボーにのって坂道をおりていった。


 え、なに、どういうこと?











 パシュ!


 う……。











『見られてしまったようだな』

『ええ。でも大丈夫よ。彼はまだ子どもだし、夢だと思わせればいいわ』

『うむ。我々としても手荒なことはしたくない。それでいいだろう』

『それに今日はエイプリルフールだからそれも手伝って真実には近づけないと思う』

『そうだな。意識がぼやけた状態で解放すれば、話のネタに考えていたものとして認識するかもしれない』

『ええ。それじゃあ、彼を元の世界へ戻すわね』











 あ、あれ?


 僕……。


 公園のベンチに、座ってる?


 さっきまで公園を目指して歩いてたと思ったけど。


 それに、なにかとてつもなく重要なものをみたような。


「……」


 あ!


 そうそう、あれあれ。


 きっししし。


 これを言ったらみんな嘘だと思わずにびっくりするぞ。


 おーい、さっきみたんだけどさあ。

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