132坂 聖夜の出会い

 今日はクリスマスイブ。


 しかも土曜日の夜で、雪もちらほら降ってる。


 雰囲気は最高なんだけど、今年も私は彼氏なし。


 は~~。


 来年こそはクリスマスデート、したいなあ。




 ガララ────────────────────。




 サンタの格好をしたブタがスケボーにのって坂道をおりてきた。


 大きな袋を背負っているからプレゼントを配ってるのかしら。


 あ。


 私に向かって何か投げた。


 これは、花?


 なんだろう、紫色をしてるけど。


「……」


 まさか花言葉に意味があるとか?


 まあそれが、運命的な出会いとかなら嬉しいけど。


「──あれ。君、もしかしてN中の菜々子くんじゃないか?」


「え、先輩!?」

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