113坂 ホラーヒーロー

 誘われて観たホラー映画、怖かった~。


 そのせいでいま、夜道の不気味さが倍増中。


 早く帰ろう。




 ガララ────────────────────。




 この音。


 ブタがスケボーにのって坂道をおりてきたようね。


 けっこう暗いのに。


 え、でもちょっとまって。


 なんか様子が変。


 このブタ、ホッケーマスクをかぶってる。


 しかもその手には……、チェーンソー!?




 ギュイン、ギュイィ──────────ン。




 え? え? え?


 私、狙われてる?


 なんで?


 私、何もしてないよ~~!




 ギュイ────────────────────ン!




「!」


 ……。


 ……。


 うん?


 通り過ぎていった?


 ほっ。


 なんだ、驚かさないでよ。


 て。


 あれ。


 ふくらはぎが見えるコート姿の人がブタに追われて走ってる。


「……」


 もしかしてあのブタ、私を守ってくれたのかな。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る