69坂 山の中

 やばい。


 やばいぞ。


 クマだ。


 こっちを向いてる。


 こういう時は。


 刺激しないように。


 ゆっくり下がって──。


 うわっ!


 すっ転んだ!


 いってえ。


 はっ。


 クマが近寄ってきた。


 どうする……。


 どうする……。




 ビシ! ビシ! ビシ!



 え?


 クマに石が飛んできた?




 ガ──────────。


 ガ──────────。


 ガ──────────。




 三匹のブタがスケボーにのって山道をおりてきた。


 しかも前足を手のように振って挑発してるぞ。


 それに怒ってクマがブタを追いかけていった。


「……」


 そうか。


 ブタがおとりになってくれたんだ。


 ありがとう!


 今のうちに逃げるよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る