8坂 お嬢様

 私を振るなんてどうかしてますわ。


 美しくて聡明でお金もある私の何が不満ですの。


 私の何がいけないというの。


 好意をおっしゃる殿方ではなく貴方を認めたのに。


 いったい何がダメなの。




 ガララ─────────────────。

 ガララ─────────────────。




 二匹のブタがそれぞれスケボーにのって坂道をおりていきますわ。


 楽しそう。


「……」


 貴方にとって私は楽しい存在だったのでしょうか。


 心の部分で貴方を見ていたでしょうか。


 笑いあえていたでしょうか。


 私、ほんとうは……。

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