第3話
今まで聞いたことのない素晴らしい音楽が聞こえる。何の楽器だろう。聞いたことのないような音だ。今までこんな素晴らしい音を聞いたことがない。この世界でこんなにも美しい響きの音があっただろうか。どんな楽器からこんなにも美しい音がでているのだろうか。でもそれは間違いなくピアノから出ている響きであった。目を開けるとカーテンの隙間から漏れてくる眩い光が、今のが、夢であることを教えてくれた。何と美しい音楽だったろうか。でもその同じ音楽が部屋の外から聞こえてくる。ドアを開けると向かい側の兄の部屋は、ドアは開けっぱなしになっていて、兄はいなかった。その音楽は下のピアノの部屋から聞こえてくるものであった。僕は階下を降りてピアノの部屋の前まで来た。ガラス張りのドア越しから兄のピアノを弾いている姿が見えた。何と美しい響きなんだろう。今まで聞いたことのない曲だ。誰が作曲した何という曲だろうか。でもそんなことを考えていたのはほんの一瞬で、その曲の美しさに体全体が共鳴してしまい、僕の意識すべてはこの曲に陶酔してしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます