〜最恐の不良もどき〜 俺は自己防衛しただけなのに…

長ネギ汁100%ジュース

第1話 〜入学の日〜 …そして

「早く起きてよ!お兄ちゃん!…おはようのチューしちゃうよ…?」と言う我が妹の声で今日も目が覚めた。「…おはよう。」急いで心地よい枕から頭を引き剥がして妹の頭を撫でながら朝の挨拶をする。「うんっ!おはようお兄ちゃん!」と朝から騒がしいもののまるで鈴の様な声で俺に返事をした。 「凛華着替えるから部屋から出てくれ…ドア閉めて正座しなくていいから…」我が妹、凛華は地域で噂になる程の美人だ。妹が通う中学では成績優秀スポーツ万能で男子に告白される事がほぼ毎日と言われるほどとにかくモテる。しかも「シスターズ」と名乗る後輩女子達の凛華ファンクラブがあり「お姉様」と呼ばれ実の兄が知らない事も知っている連中に崇拝される程。だが家では俺から離れようとしないし脱いだ服の匂いを嗅ぐ事がある。そんな妹に朝起こされ朝食を一緒に食べ一緒に家を出る。朝食では妹に「おいしかった?」等と質問攻めされた。 「お兄ちゃん 嫌な事あったら私の事思い出してね!あと、お兄ちゃんは無口なの直さないと友達出来ないよ?」と別れ際に言って俺は「ああ…そうだな…」と面倒だったので適当に返事をして高校に向かった。 俺が入学する高校はまだ出来てからあまり時が経っていない新しい校舎の「神努山高等学校」だ。選んだ理由は家に近い、それだけだ。入学式が終わり教室案内されその後に色々あって昼に下校する時「おい!そこの隠キャメガネ!痛い目見たくなかったら○○公園に16時35分に来い!」と鼻ピアスに赤色に染められた肩まで掛かる髪、ガタイの良い身長175cmはある見るからにTHE不良にいきなり脅された。人のことをいきなり隠キャメガネとか失礼にも程がある、と思った。確かにメガネは掛けてるし雰囲気は明るいとも言えない。しかし脅された事については不思議と恐怖を感じなかった。16時35分に少し出かけてくる。妹にそう連絡して○○公園に向かった。そこには昼の不良の他に3人の不良がタバコを吸いながら大声で話していた。不良たちにタバコの匂いが届かない場所から声を掛けた。そして不良達は俺の方をジロッ!と睨みつけて「ヨォ、約束通りちゃぁんと来たかァ〜。じゃあお前で遊んでやるよっ!」と言いながら殴りかかって来た。

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