なぜか同行者
その日、簡単な浄化装置を作りました。
インターネットにある作り方を某大学が検証したものがありましたので、参考にしたのです。
この実験によると、砂は不要だそうです。
木炭、小石、カット綿、あと木の樽をいささか改良していただきました。
材料の用意と労働は傭兵さんたちがしてくれました。
気のいい人たちばかりですね♪『魅了』が効いてるのですかね……
実験は大成功、見事に水が綺麗になりました♪
引用した文書によれば煮沸すれば問題ないようですよ。
濾過した水を対象に、水質浄化剤を利用すればよいそうですが、この世界にそんなものはありえませんからね。
パンはフラットブレッドなら、小麦粉と塩、そして濾過煮沸した水で作れます。
おかずはこれはお肉ですね♪
傭兵さんに聞くと、何とかリスなどがいるようで、捌いてくれるようです。
狼なんて狩っても食べられませんからね……でも、毛皮がいいお金になるので見つけ次第、狩るそうです。
スパイスがありますし、オリーブオイルのみですがありますし、これだけあれば十分でしょう。
その他、ドライチーズ、念のために乾燥したお肉、さらにはワインも一樽……
水が何とかなりそうなので、少し水を減らして、このあたりを購入していただいたのです。
リンドまでは二週間と少し、ほぼ十八日の行程だそうで、旅の終わりあたりに生理が来そうですが、超健康体ですから、生理も軽くて、量も普通……
母乳は初めての生理が来てからだと聞いております。
夕刻、準備も終わり、明日からの打ち合わせなどしていると、
「昨日の隊商は女にはしんどいからな」
などという言葉がありました。
「私、昨日の隊商に、料理人としてお願いしようかと考えていたのですが?『しんどい』ってどういう意味ですか?」
「まあ、簡単に言えばトイレの問題だな、隊商はな、日中はとまらないのが基本、男ならもよおしたら、道端ですればよい、糞でもそのあたりでチャチャっと済ませ、走っておいくつわけだ、別に見られてもな、大したことはない、女はそうもいかんだろう?」
「だから、朝と夜、隊商が野営するときとなる、旅慣れた女は餓鬼がするような『おむつ』をすることになるが、洗濯などできないし、捨てることになる、自分の物が男に見られるわけだ」
「野営地でするといっても、危険だからあまり離れられない、大事な所は見られないようにできるが、その姿は男に見られるぞ」
「傭兵は日中でも、獲物を見つければ狩のために結構止まる、金になるからな、だから傭兵だけの旅に、女としては同行したがるのだ」
「傭兵は荒くれだが信義が第一、女神の名のもとに契約したら、必ず守るのが傭兵の誇り、それを破った奴らは大体は翌日にはいなくなる」
身内で制裁する、というわけですか……でも、女神の名のもとに?私が交渉した神様は女神様ではなかったけど、いったいどなたなのかしら?
女神を『鑑定』しても女神としか表示されません。
翌日、私たちはバヤンウルギー村を後にしました。
一応、馬車が用意されています、たすかりますね。
でも、なぜか同行者がいます。
「あれ、傭兵団だけかと思いましたが?」
「悪いが女が一人同行することになった、お前の馬車にのせてやってくれ」
「えっ、契約と違いますが!」
「悪いな、たのむ、十八日だから」
「どのような女性なのですか?」
「それがな、奴隷女だ」
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