最弱勇者、S級ギルドを追放されたがある日、最強スキルに目覚め、最強の白魔道士になる。
【Rye】らい
第1話:最弱勇者は裕福な人生を送る。
勇者。
強いスキルや能力を生まれつき持つ、限りなく最強に近い存在。
僕、レイは町外れの屋敷、ラキドレン邸で12代目勇者として生まれた。
優秀な勇者を産んできたラキドレン一族に生まれた僕は、家族や親族にとても期待されていた。
まるで、未来を見透かして、
『世界を救う存在』
とまで言われるほどに。
僕は、この期待に応えなければと、小さい頃から魔法学を学び、
かの有名校、
『シヴァヴァルム魔法学園』
にも通った。
しかし、その期待とは反面、友達は作れなかった。
……いや、作らせてもらえなかった。
親には、「友達なんて、レイの将来の邪魔になるだけ」と言われた。
そのせいで、折角の学園生活は一人で孤独に過ごしていた。
だが、一人だとしても授業自体は興味深く、友達がいないことはどうでも良くなった。
すると、学園のチャイムが鳴り響いた。
「今日の授業は終わりです。各自、下校の準備を」
先生のその言葉を聞いた後、僕を含めるクラスメート全員は安堵の息をつく。
「今日も疲れたなぁ……」
早く家に帰って寝たい。
勇者の一族の為、僕は周りよりも3年早く入学した。
まだ幼い為、毎日のように疲労が溜まり続け、最近だと、体調を崩すまでにもなっていた。
早く帰るため、下校準備を早々に終わらせ、席に付く。
クラスメート全員が準備できるまで待つから、どっちにしろ早く帰ることはできない。
数分後。
全員が準備できた後、先生から帰りの合図。
先生が「さよう……」と言いかけている時には、クラスメートの大半は廊下に出て走り去っていた。
そして刹那、廊下から男性教師の怒鳴り声。
廊下を走ったクラスメートが、怒られているのだろう。
僕は大人しく、廊下を歩いて生徒玄関へと向かった。
生徒玄関についた後、僕は小走りでラキドレン邸へと向かった。
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