哀 僕らのメモリー

アルバムを ぺらり めくると

かつての写真がたくさん出てくる


ああ、あの日のことを 思い出す

ああ、あそこでの景色 思い出す

どうでもいいことばかり思い出す


優しい笑顔は4月17日の君のもの

銀色フィルムは4月18日に買ったし

そのタルトは8月8日に食べたよね


かぎりある脳みその記憶容量

君の事ばかりに使いすぎたんだ


いっそ何もかも忘れてしまえたなら

なかったことにしてしまえたなら

この侘びさと悲しさと絶望くらいは

知らないまま生きていられただろう


でもそんなこと想像もできないから

きっと回避しようがないことだった

出逢いも別れも必然だと受け入れよう


今日も忘れられないまま夜が更ける

僕はただ時が過ぎるのを待つばかりだ


忘れられるほど強くなるまで

もう少しだけ 待って

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