第4話 コラボ
風花巫女
『それでコラボの内容なんですけど、遊びの全てはどうですかね?』
遊びの全て、それは日本で主流になっているゲーム会社が発売している世界中の遊びが出来るソフトである。
そしてこのソフトは色々な遊びが出来る為、コラボの際によく使われているソフトでもある。
神原とわ
『いいと思います! 枠は1時間で前半質問箱で後半遊びの全てで配信する形で大丈夫ですか?』
風花巫心
『はい。では本番お互い頑張っていきましょう!』
―――――――――――――――――――――――
いつも通りの時間、配信する為に椅子に座るが、
初配信よりも緊張しているのではないかと思うほど、心臓がバクバクとなっている。
視聴者数がいつもの五倍、いや六倍ほど多いのは土曜日のおかげなのかコラボのおかげなのか、分かりきった答えを出すのに数分かかるくらい動揺してしまっているのだ。
それでも落ち着かなければならないと、それがVtuberというものだからと、深呼吸をして神原とわへ頭を切り替える。
「こんばんはー! 今日は一人じゃない、悠久の時を生きる神様系Vtuber神原とわだよー」
:コラボだー!
:キタ―(゚∀゚)―!
:バ美肉忘れてるw
:↑本当だw
:緊張してるのかな?
「あははっ……コラボだから緊張してて。でも初めてのコラボ、精一杯楽しんでいこうと思うよ! それじゃあコラボ相手の紹介を、個人勢一の清楚! 雪国の巫女さんの風花巫心さんでーす」
「リスナーの皆さんこんばんは。風花巫心でございます。今日はとわさんとのコラボ楽しみたいですわ」
:巫心様だー
:すげー
:楽しみ
生配信を始めてから類を見ないほど速く過ぎ去って行くコメント欄に圧倒される。
しかし私一人ではない以上失敗は許されないため何か話さねばと言葉を絞り出す。
「ということで今日は質問を読んでから遊びの全てを四十分くらいやっていきたいと思うよ」
:おけ
:遊びの全てやるのか
:俺の送った質問読まれるかな?
やはり緊張する、そう思った時、スマホに一件の通知が来た。
風花巫心
『コラボだけど、緊張しなくても大丈夫です! 一緒に楽しみましょう♪』
画面を見ると、彼女は満面の笑みで体を左右に揺らしていた。
このDMだけで一人で漠然と抱えていた不安な気持ちか、少し和らいだ気がする。
それと同時にリスナーに悟らせないようにはしていた自分の心を見透かされて、Vtuberとしての差も感じてしまう。
――いつか私もこんなVtuberになれるだろうか。
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