第2話 ガチ恋
先程の配信を見て一目惚れしました! 結婚を前提にコラボして下さい!
翌朝、寝る前に募集をした質問箱の中身をチェックする為SNSを開くと、このようなDMが届いており、私は朝食のパンを食べる手が止まってしまった。
風花巫心、企業に所属してないながらもチャンネル登録者数が二万人以上の人気Vtuberだ。
茶髪でロングの髪の毛に純白の着物。巫女をモチーフとしているだけあり、巫女服を着た彼女はまさに清楚の象徴であった。
そんな彼女が私のガチ恋になった? いやいや自惚れてはいけない。
きっと何かの見間違いだ! 寝ぼけているだけなんだ。
目を擦り頬を一叩きして再度確認する。
風花巫心
先程の配信を見て一目惚れしました! 結婚を前提にコラボして下さい!
どうやら寝ぼけているわけではなかったようだ。
ガチ恋勢を望んでいない私はこの告白に答えることができないのだが、大物Vtuberとコラボできることは知名度がアップするので嬉しい。
数分間動揺していた私はなんとか心を落ち着けて、このDMへの返信をかんがえる。
そしてさらに二分程時間を有したところで、スマホに返信を打ち込んでいく。
神原とわ
結婚の間はご遠慮しますが、コラボの方は是非やりましょう!
―――――――――――――――――――――――
「こんばんわー! 今日もお仕事学校お疲れ様。悠久の時を生きる神様系バ美肉Vtuber、神原とわだよー」
朝にあった事は一旦忘れて今日も生放送していこう!
そう決めた私はパソコンの前で声を作り視聴者とオープニングトークと称した雑談に花を咲かせる。
「さて、オープニングトークはこれくらいとして、今日は意見箱に届いた質問をよんでいくよ」
と言っても数件しか来ていないのだが……と言うのは黙っておき、パソコンから質問を画面上にドラッグする。
『Vtuberになろうと思ったきっかけは?』
「きっかけかぁ……昔からアニメとかが好きでみんなを楽しませる仕事につきたいと思ったからかな。でもまだまだ無名だから頑張っていきたいね」
:応援してる
:人気になったら古参勢名乗ってやるぜ
:声可愛いし人気になる(確信)
『これから配信するジャンルは?』
「これからはイラスト描いたり雑談メインでやって行くかな。新衣装とかみんなで決めながらやりたいね」
:イラスト描けるの羨ましい
:歌もして欲しい
:水着衣装はよ
:ASMRも!
「いいだろう、イラスト描けるの羨ましいだろう! 歌は少しきついかな、ASMRはマイクが無いから収益化通ったらやりたいね。……しかし水着って、まだ冬だよ」
リスナーのコメントに一つ一つ返していくのは難しいけれど、その分楽しいものである。
こうして十も満たない質問を答えていると、一時間を過ごしたあたりで最後の質問になってしまった。
『コラボってするの?』
――あぁそれはね、私が答えようとした瞬間、コメント欄は大いに盛り上がる。
雪平巫心:私と約束をしているのです!
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