君からのもらいもの

「観覧車ってこんなに高い所まで行くんだねぇ」

 大好きな君と、デートの最後。この場所で有名な観覧車に乗っていた。

「ほんとだね。だけど、景色もいいけどこっち見てほしいな」

 言葉に誘われ振り向いた瞬間、首にふわりと何かが触れる。

「これ見たとき、絶対君に似合うって思ったんだ。ちょっと早めのクリスマスプレゼント、かな……?」

 そう君が少し頬を朱に染めて言う。

 私の首にあったのは、可愛いマフラーだった。

 嬉しくて、気恥ずかしくて、巻かれたそれに顔を埋める。

「……ありがとう」

「どういたしまして。ほら、隠れてないで出ておいで」

 とマフラーをほんの少しだけ下げられ、キスされる。

 不意をつくなんてずるい。

 そんな言葉は、口から出る前に、真っ赤に染まった君にかき消されてしまった。

 大勢の建物と月の光に照らされた、薄暗いゴンドラの中。増えたのは、キスとマフラーと、『好き』の気持ち。

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