第285話 運も実力のウチ?

 ※試験勉強などは、作者の昔の記憶を元に書いているのでお許しくださいね。


【深雪side】


 ヤバかった!

 夏休みの宿題は終わらせていたものの『期末試験』の事は、すっかり忘れていたわ!

 落第も嫌だけど進路に影響するから、いい加減な事は出来ないのよね。


 せっかく、ジェリドと良い感じに成っているのになぁ~。

 とりあえず博子と試験勉強をしないとイケナイ事に、ため息が出るわ。


「うわぁーん、みゆエモーン!

 何処から手をつけたら良いか、判らないよぉ~!」


 ………もう、しょうがないなぁ~

 この少しけている親友を見捨てられないのよね。


「 まずは、数学から始めましょうね。

 数学は公式を覚えれば良いから案外、楽な教科なのよ」

 と 博子に言ってみたが、


「それは、深雪が数学が出来るから言えるので有って、公式を覚えられない私には ちんぷんかんぷんだよ!」


 う~ん、正直 暗記は得意だから『公式が覚えられない』と云う事、事態がわからないわ。

 とにかく原因究明しないとダメよね。


「 数学の『どの辺り』から解らないの、博子?」


 博子は上目遣いでビクビクしながら、


「えっとね、『因数分解』辺りからあやしいのよね」


「ちょっとぉー! 『因数分解』なんて、中学の数学じゃないのぉー!

 よく、高等部の入試が受かったわねぇー 」


アッハハハ渇いた笑い。 記述式はともかく、選択問題は鉛筆✏️を転がして解いたんだよねぇ~」


 ………あきれた、完全に『運』任せじゃないのよ!


「………他の教科は大事件なんでしょうね?

 まさか! 選択問題が多かったから鉛筆✏️を転がしたんじゃぁないでしょうね?」


「深雪も知っていると思うけど、昔から『運』だけは良かったのよね。

 アタリ付きのアイスを、よくおごってあげたでしょう」


 そうだった!

 昔から博子は『クジ運』だけは良かったんだったわ!

 雑誌の懸賞から駄菓子屋のクジまで良く当てていたわね。

 その『おこぼれ』を貰っていた私が云うのも何だけど………

『おこぼれ』には男の子も入っているから仕方ないなのかも知れないわ。



「ところで、………さっきから気に成っていたんだけど、何故 学園の体操ジャージのズボン下を履いているの?」


 そう、博子は何時ものスカートでは無くジャージのズボン下を履いていた。

 ツッツツ と目を横に反らしながら博子は、


「いやぁ~、この間の『お見合いパーティー』で食べすぎちゃって、うちにあるスカートのホックが閉まらなくなっちゃったんだよねぇ~

 もう、暦の上では『秋』だし 仕方ないよねぇ~」


「まったく、もう! あの時、美味しいからと云って『バクバク』食べるからよ!

 付き合うから、明日から早朝ランニングをするわよ!」


 ………実は私もお腹周りのお肉が気になり始めたのよねぇ~


「え~ぇ~! 朝は、ギリギリまで寝ていたいんですけどぉ ! 」


「そのまま『ブクブク』太ったら、カミーユに嫌われても知らないわよ!」


「……………やる、やれば良いんでしょう!

 一人だとくじけるから、深雪も一緒に走ってよ!」


 ………う~ん、もうひと押しかな。


「どうせなら、カミーユやジェリドも誘って一緒にランニングしましょう!

『食欲の秋』より『スポーツの秋』よ! 」


 カミーユも誘うと聞いて、博子もやる気に成ったようね、

 これぞ、菖蒲学園の馬謖の策『馬にニンジン作戦』よ!

 ………私もジェリドに逢えるし云う事無しね。



 その後、寝不足と疲れで授業中に居眠りして怒られたのは別の話。

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