第271話村のお祭り パートII ②

玉造たまつくり 深雪side】



 今年もこの時期が来てしまった…………


 周りを見ればカップルだらけで腹が立つわ !………リア充どもめ 💢

 博子と一緒に歩いているのは去年と一緒、今年こそはと思っていたのになぁ~

 信太郎くん達はアルテ達と祭りを見て回るらしく、混ぜてくれとは言えなかったわ。


 男ならハーレムを望みなさいよ !


 と思うけど、今の時代の男達は『草食化』しているから駄目かなぁ~

 そう思いながら夜店を見て回るけど……何処を見回しても、


 カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル カップル



 ………ウガァー ! お前らサカッているんじゃないわよ !


 いけない いけない、これだと去年までの由利子先生と一緒だわ !

 私達は、まだ花の10代なんだから慌てる必用なんか………


 クイ クイ


 私のそでを引っ張る博子が指差した方を見ると………

 大江戸ファミリーが仁くんを中心に仲良さそうに歩いていた………

 勇気、楓、瞳、アリス、真理愛さんが争うこと無く楽しそうにしている。


 クイ クイ


 博子が別の方向を震えながら指差している……


 竜ヶ崎 忠夫くんが、四人の女の子を連れていた。


「 嘘つき ! 稲荷山絹と香取令子の二人で締め切りだと言った癖にぃ~」


 博子が魂の叫びをしていた。


 一人は、明日香=フランクフルトで、もう一人は………妙神先輩 !


 なるほど~、それなら私も荒川沖達也くんに再アタックしても良いよね !


 ゾクッ


 何故だか悪寒が走った………やっぱり止めよう、南や由香とも仲良しに成ったのだからら裏切るマネは出来ないよね。


 フリーの男子は少ないから、いっそショタに………犯罪者に成るから止めよう………菖蒲学園の馬謖と云われた私にも解らないわ !



「ねえ ねえ 深雪、彼処に男の子が二人居るから誘ってみようよ !」


 夜店の射的で盛り上がっている男の子が二人居たけど、どうにも気が進まないのよねぇ~


「 そこのお兄さん達ぃ~、 良かったら私達とお祭りの夜店巡りをしませんか ?」


 博子の呼びかけに男の子達が振り返ると、



「「「「 ウゲェェェ~ ! 」」」」


 神宮コンビに声をかけてしまった………


「「 チェンジで ! 」」


「ふざけるな ! それは、此方こちらのセリフよ ! 」


「 そうよ そうよ、深雪の言う通りよ !」


「ウルセェ~よ ! 俺たちにだって選ぶ権利はあるんだぜ ! 」


「そうだ そうだ、 良純の言う通りだ ! 」


「プゥ クスクス、 呉学人だなんて残念な貴方良純には、ピッタリな渾名あだなね(笑)」


お前深雪にだけは言われたく無いぞ、馬謖なんてお前にピッタリだ(笑)」


「ギャルゲームばかりしているからモテないのよ、脳筋ゴリラ和茂


「乙女ゲームばかりやっている博子に言われたく無いよ、脳内お花畑 」


 私達が大声で口喧嘩をしていると、


「 バカもーーーん、 往来で口喧嘩をするなんて両方が悪いわ !

 神宮坂良純、神宮橋和茂、玉造深雪、牛堀博子の四名は、今から祭りの間は自宅謹慎して反省文を書きなさい ! 書けたら職員室の私の処に提出すること、判ったら解散 ! 」


 由利子先生とハルト先生に見付かってしまった。

 私達四人共、この時ばかりは『心』が一致団結したのだった。


 ──由利子先生の鬼 ! リア充は爆発しろ ! ───



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