第237話 迷探偵 と へっぽこ探偵団 ③

【明日香side 】


 どうして日本では、ドイツの『エミールと探偵たち』の事を知らないのよ !


 シャーロック・ホームズ ! エルキュール・ポアロ !


 それが、何よ ! それなら私 、 明日香=フランクフルトがドイツ代表の名探偵に成ってやるわ !


 蛍の漫画に影響されたからでは無く、日独ハーフの私だからこそ、眼鏡のお子様なんかには負けられないわ !


 小手試しに、由利子とハルトのデートの追跡調査をしているんだけど………付き合っているんだから、せめて手ぐらいにぎりなさいよ !


 絹

「 由利子先生もハルト先生も初々しいですねぇ~ 」


 令子

「 いやいや、お絹ちゃん ! 二人共、もうアラサーなんだからね ! うぶな小学生や中学生とは違うのよ 」


 本当に良い歳をした大人が何をやっているんだか !


 ── そこには、手をにぎりたくてウズウズしながら手を 行ったり来たりしている由利子先生と、それには気がつかずに『のほほん』と呑気のんきに歩いている、ハルト先生鈍感系主人公が居た ───


 二人共、目的地が無いのか、アッチにフラフラ こっちにフラフラしながら、お店を冷やかしている。

 …………それにしても暑いわね ! 日本の夏は蒸し暑いと聞いてはいたけれど、………そう、思っていたら


「 明日香、これくらいでヘバッテいたら 本格的に『夏』に成ったら大変だぞ ! 」


 忠夫の言葉に絶句した、それ本当まじなの !



おどかす訳では無いですが、確かに日本の夏は これからドンドン蒸し暑く成りますよ 」



「 明日香にえられるかなぁ~ ?

 夏バテしないように『レクチャー』してあげようか ? 」


 お絹ちゃんは心配しながら、令子は冷やかすように話してきた。


「 大丈夫よ 、 これくらいでバテる明日香様では無いわ !」


 ………強がりは言ってみたけど、後で『グ◌グル先生』で調べて見よう !

 だけど、のどかわいたわね。

 さっさと喫茶店かマックマク◇ナルドにでも入ってくれないかなぁ~ !


「 ほら、明日香もコレ麦茶を飲んで、一息入ひといきいれておけよ ! 熱中症に成ってしまうぞ 」


 そう、言いながら忠夫が皆に缶の麦茶を配っていた。


「 ………アリガト(小声) 」


 皆が普通に『ありがとうサンキュー』を言っているなか、小さな声でしか感謝の言葉を言えなかった。

 素直に慣れない自分に腹が立つけれども、今は………


「 お兄ちゃん、お兄ちゃん、先生達が『 アイスクリーム屋』さんに入ったから、蛍たちも『アイスクリーム屋』さんに入ろうよ ! 」


 ………お子様は気楽でいいわね ! だけど、その提案には乗ってあげる。

 いい加減、歩き疲れた私達は 少し時間を空けてから『アイスクリーム屋』に入ることにした。






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