第160話 新学期(三学期) ⑰


【 鎌倉 信之助side 】


ウグゥ 女子生徒達の『 目 』がこわいよぉぉぉ。

都会程では無いけど、女子達の『 目 』が肉食動物みたいにみえちゃうよ。


隣に居た かおるくんが、そっと手を握まにぎってくれた。


「 大丈夫 ! 信之助くんは、僕が守るから安心してくれ 」


いつも守って貰ってばかりで 『ごめん 』

幼馴染みの薫くんは、何時だって僕の味方だった。


「 ありがとう、薫くん。 」


「 気にしないでくれ ! 僕達は『親友』だろう 」

優しく微笑む薫くんに対して顔が朱く成ってしまう。


薫くんは男の子 薫くんは男の子 薫くんは男の子 薫くんは男の子

薫くんは男の子 薫くんは男の子 薫くんは男の子 薫くんは男の子 薫くんは男の子 薫くんは男の子 薫くんは男の子 薫くんは男の子 薫くんは男の子


そして、僕だって男の子なんだからね !

薫くんは好きだけど『 LIKEライク』であって『 LOVEラブ』ではないんだからね !


…………………いったい、誰に言い訳しているんだろう ……………

転校したてで、疲れているだけだよね !



ゾクリ……………一瞬、寒気が走った………………視線を感じるけど……………


振り向いたら駄目だ 振り向いたら駄目だ 振り向いたら駄目だ 振り向いたら駄目だ 振り向いたら駄目だ 振り向いたら駄目だ 振り向いたら駄目だ


完全にロックオンされているよぉぉぉ


「 かおるク~ン (泣) 」


「 信之助、絶対に振り向くなよ……………クッ、 守りきれるか この僕に 」



───薫は気づかない。 自分もロックオンされている事を─────



【 忠夫side 】


なぜだか知らんが、アレ節分から明日香が俺達と行動する事が多くなった気がする。


友達ダチ良純よしずみ和茂かずしげ達が


和茂

竜ヶ崎りゅうがさきの事だから必ずナンパすると思っていたが………もう、仲良しになるなんて 流石に速すぎるぜ ! 」


良純

「 そうか ? 『菖蒲あやめ学園の疾風しっぷう』といううわさをされる奴だから不思議だとおもわなかったぞ 」


明日香

「 へぇ~ アンタ忠夫、手も足も速いんだぁ~ ………ちょっと意外だったけど 言われて見れば、あの時節分も逃げ足が異常に速かったわね 」


和茂

「 そういえば、何時だったか 稲荷山さん や香取令子さん から逃げている時も…………………



──────回想シーン ──────


令子

アンタ忠夫いい加減にしなさいよ !

今度という今度は絶対に許さないかなね、浮気者 ! 」


「 忠夫さん。 怒らないから逃げるのを止めてくださいよぉ(怒 )」


逃げる忠夫を二人の彼女達が追いかけるが、一向に追い付かない。


忠夫

「 嘘じゃぁぁぁー ! 捕まったら絶対にお仕置きするつもりの癖にぃぃぃ~

俺は騙されないからなぁぁぁぁ~ !

逃げにてっした俺は、誰にも止められないのだぁぁぁー

人呼んで『 疾風、烈風れっぷうの忠夫』とは、俺のこ…………



ドカッ バギッ ゴギッ ズザザザザザザザ~


一人の女性教師が竹刀を持ってたたずんでいた。


由利子

「 また、つまらぬ者を斬ってしまった………我が剣に止められぬ者なし」


令子

「 流石、由利子先生ね ! コイツ忠夫は、ありがたく連れていくわね 」


「 由利子先生、ありがとうございます。 忠夫さんには、しっかりお説教しておきます 」


この後、忠夫は公開お説教をされたのだった。


─────回想 おわり ──────


良純

「 そうして、竜ヶ崎 忠夫は学園でも有名人『 疾風の忠夫(笑) 』と言われるように成ったんだよ 」


明日香

「 プゥゥゥ クスクス アッハハハハハハ………あ~~ 可笑しい。

アンタ達は、昔からバカばっかりしてたんだぁ~ 」


余計な事を教えたせいか、俺を退屈しのぎにしているに違いない !






【 由比ヶ浜 雫side 】



確か占い師によると、この学園に『あの人』は在籍しているはずだわ。

きっと、きっと、見つけるから待っててね。


あの人の『 つがい』は私だけ。

誰にも渡さないわ………………ウフフフフフ…………………

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