第132話 それぞれのクリスマス ①

【 梨里杏side 】


暗くなる前に東京に着いた私達は、ホテルにチェックインして部屋に荷物を置いて下見の為に一度、会場の東京ドームを見に行った。


巨人

「 ………でっかいなぁ 。 ここで『 いたろう坂 49 』のコンサートをやるのかぁ。」


梨里杏

「 うん、凄いよね。 ここ、巨人………ジャイアンツの本拠地なんでしょう。

自分の名前と同じチームなんて複雑だよね。」


巨人

「 まあ、子供の頃小学生の頃は、よくからかわれたもんだよ。

そのせいか、アンチどころか野球そのものを無視するようになったんだけどな」


梨里杏

「…………今でも、自分の名前は嫌いなの ? 」


巨人

「 もう なれたよ。 只、自分の子供の名前は、マトモな名前にしようと思ったけどね。 」


梨里杏

「 ……………うん、協力するよ 巨人くん 」


私達は、手を繋いで会場を後にした。

明日のコンサートは楽しもうね、巨人くん♡



【 秋奈side 】



私達は、政雄と和彦から呆れられていた。


政雄

「 『DS』を貸した俺達も深く考えずに貸してしまったから怒れないけど

普通、試験期間中にゲームをやるとは思わなかったよ。 」


和彦

「 そうだね、試験が終わってからゲームをやるもんだとばかり思っていた僕らがバカだったと言う事かな、ハァー 」


聖子

「 若さとは後悔しないことなのよ ! 」


政雄

「 す・こ・し・は・反省しろ ! 」


バッシーーーン !


政雄が大きなハリセンで聖子の頭を叩いていた。


聖子

いっ~たぁ~い痛い ! 何でハリセンで叩くのよ ! 」


政雄

「 開き直りなんかするからだ !音のわりには痛くないはずだぞ、実験したからな 」


政雄のことだから、嬉々 ききとしてハリセンを作ったんだろうなぁ。

政雄も聖子も『 お笑い 』や『 漫才 』が好きだから、よく漫才みたいなコミュニケーションを取っているからなぁ。


その点、和彦は優しいから乱暴な事しないよね 、 しないよね。

ニコニコしながら政雄の持っているハリセンより大きなハリセンを手にしている和彦に、精一杯の抵抗を試みた。



秋奈

「 プルプル 私、悪い秋奈じゃ無いよ プルプル」(上目遣いで可愛らしく、目をウルウルさせて )


がしっ がしっ


アレッ、 どうして、政雄と聖子が私の右手と左手をつかむのかなぁ。



聖子

「 流石に、それはアザトすぎて庇えないよ 」


政雄

「 反省の色が全くないからお仕置きしろ、和彦 ! 」


秋奈

「 冗談だよ。 IT'S JOKE イッツ ジョーク!だよ」


和彦

「 反省しようね。 あ・き・な 」


バッシーーーン !


秋奈

「 いっ~たぁ~いょ~お~ ! 和彦の『 鬼 』『 悪魔』 ! 」


この後、 少し喧嘩してしまったけど結局仲直りしてしまったわ。

どちらにしても『 恋・バト 』は封印する事にした。

聖子のソフトも深雪に返してしまった方が良いわね。



『 恋・バト 』 恐ろしい敵だったわ !




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