第96話 宿泊学習 ⑤

[勇気side]



今、僕達は 白浜少年少女自然の家に向かうバスに乗っている。

じゃんけんの結果、僕がジンの隣に座る事が出来た。


ジンは どっち派なんだろう ?

僕は 『 きのこの山奥』と、『 たけのこの里山』 両方の お菓子を用意した。

昔、 “ きのこ VS たけのこ 戦争”と 言うのが 有ったらしいけど 僕は どちらかと言うと『 とっほ』派なんだ。


勇気

「 ジンは 『きのこの山奥』と『たけのこの里山』 どちらが好きなの ?

両方あるから 好きな方を選んで良いよ 」


「 ありがとう、ユウキ。 僕は こだわりは無いから 半分こ して食べよう」


勇気

「 ジンは 好きな お菓子は無いの ? 今度、一緒に食べようよ 」


「 そうだね。 僕は 和菓子、それも 餅菓子が 好きだよ。

ヨモギ餅 とか 豆大福なんか好きだね。 」


勇気

「 たい焼きは どうかなぁ………美味しい『 たい焼き屋』さんを知っているんだ」


「 たい焼き も好きだよ。今度、一緒に たい焼きを食べに行こうか ! 」


勇気

「 うん、 今から楽しみだよ 」


バスの中で ジンと いっぱい お話を したんだ。

本当に、 ジンと一緒に居ると楽しいよ。



[ アリスside]



ジン と ユウキが 楽しそうで~す。

これが 『青春』と 言うヤツですね。


私も ステディな彼氏が欲しいデスネ………クラスの他の男子には 警戒されているし どうにかしないとイケマセンねぇ。


いっその事、私も ジンを 狙うのも アリですね。



[由利子side]


私は 副担任になった ハルトと 宿泊学習の打ち合わせをしていた。

仕事でも良いから ハルトと一緒に居れば 気心が知れて仲良く馴れると思う。



【 由利子先生の 妄想劇場 開始 】



ハルト

「 仕事の出来る ユリコは 魅力的ですね。 もっと ユリコと仲良く成りたいで~すね」


由利子

「 私も ハルトとは もっと もっと 仲良く成りたいわ」



ハルト

「 ジー ………………………………ユリコ、愛している。 私と結婚して下さい 」


由利子

「 はい。 よろこんで 」



やがて 結婚して………そして妊娠する私


ハルト

「 生まれて来る子は 男の子かな 女の子かな 」


由利子

「 男の子なら 『秋斗アキト』女の子なら『檸檬レモン』 なんて どうかな ? 」


ハルト

「 ユリコは センスが良いねぇー 。 その名前で良いと思うよ。」



【 妄想劇場 終了 】


[ ハルトside]



グッフフフフ、 ユリコが 自分の世界に浸っているようですねぇー

ユリコは 見ていて飽きないですねぇ。


私は 妄想に浸っている ユリコを眺めていました。



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