第61話 それぞれの『夏』 ②

〖 登場人物紹介(小 ) 〗


 延方のぶかた信敏のぶとし神栖かみす 今日子の恋人


 波崎はさき 博人ひろと大洗おおあらい 伊予の恋人


 石岡いしおか政雄まさお鉾田ほこた 聖子の幼馴染み 兼 恋人


 日立ひたち 和彦かずひこ麻生あそう 秋奈の幼馴染み 兼 恋人



【 政雄side 】


 今、俺達は学園の図書室で集まって夏休みの宿題をしている。

 クラスメイトだけど、あまり親しくなかった二人だが彼女達との犠牲により仲良くなった。


 和彦

「 俺は後、読書感想文で宿題が終わるけど

 皆はどのくらい進んだのかな ? 」


 政雄

「俺も読書感想文だけ残っているだけだ 」


 信敏、博人

「「 終わったぁ~………僕(俺)も残りは

 読書感想文だけだよ 」」


 政雄

「 なら、一息ひといきいれてから取りかかるか

 幸い図書室だから、本は選り取り見取りだ」


 図書室(四階)は飲食禁止なので、一階の自販機コーナーで休憩するために、皆で下まで階段で降りた。


 博人

「 あ~あ、ウチの学園もエレベーターが在ればいいのになぁ~

 降りるのは良いけど、登るのが かったるい!」


 信敏

「 アッハハハ………」


 和彦

「 在ったとしても職員専用だよ 」


 政雄

「 生徒も使えるエレベーターがある学校なんてあるのか ? 」


 他愛もないことを言いながら、俺達は降りて行った。

 しかし彼女繋がりとはいえ、こんなに早く仲良くなるとは思わなかった。


 一人の女の子でも大変なのに、三人も婚約者がいる。

 今、俺は大江戸を尊敬している。


 最初は都会から来た村長の孫で

 どうせ、いけ好かない奴だろうと思っていたが物腰が柔らかで

 むしろ、あの三人勇気、瞳、楓に振り回されないか心配するほどだ。


 自販機で飲み物を買い、改めて皆の顔を見ると


 和彦

「 どうしたの ?

 人の顔を見て………なんか着いているのかな? 」


 政雄

「 いや、大江戸の事を考えていたが

 皆、彼女が一人で満足か ? 」


「「「 充分じゅうぶん、間に合っています 」」」


 政雄

「 ほら、大江戸は三人も婚約者が居るし

 少子化の上、男性が不足しているから

 閣議決定で『ハーレム婚 』が成立しただろう。

 正式に法律化するのも時間の問題だし

 なによりクラスメイトの女子達フリーの女子達の目が捕食者みたいで恐いんだけどな………特に !」


 和彦

「 気持ちはわかるけど、俺は秋奈一人で充分だよ !」


 信敏

「僕も今日子さんだけで充分だよ

 他の女子は飢えた狼みたいで恐いからね」


 博人

「 俺も、伊予さんだけで充分だ

 あんな、にぎやかな女の子は一人で間に合っているよ」


 政雄

「 そう考えると、大江戸は凄い奴なんだな

 まあ、そこに シビレもしないし憧れもしないがな ! 」


「「「 賛成 」」」


 さあて、そろそろ戻って読書感想文を終らせるか。

 俺達は図書室に戻って読書感想文にする本を探し始めたのだった。

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